双方の主張
検事側は、羽田さんが妻が児童虐待をしたことを大田区内の98?(99?)箇所に選挙ポスター掲示をすることによる「妻への名誉棄損」を主張。
被告側は、羽田さんがポスター掲示をしたことの行為自体は認めるが「妻への名誉棄損」は否定、羽田さんの今までしてきた「日本の子の連れ去り問題」という社会問題を解決するための公益性のある活動および正当な選挙活動として、刑法34、刑法230-2、により「無罪」を主張。
羽田さんが大田区議選に出馬したわけ
私は羽田さんが大田区議選に出る前に、羽田さんから直接電話で、大田区議選に出る理由を聞いています。
彼は、別居親たちがTwitterで街宣で社会にこの連れ去り問題を広めようとしてもなかなか社会に知ってもらえていない現状を憂い、だから、自分は何か効果的なことをしないといけないと考え、夏の参議院選挙でNHK党がやった「選挙に私は当選しなくてもいい。選挙活動を通じてNHKの問題を社会に伝える」手法をヒントに春の統一選挙に出るんだと熱く語りました。
子どもを会わせようなんて考えてもいない家庭裁判所を相手に高額な弁護士費用を使うならポスターの印刷費用と選挙費用なんて微々たるものだ、この手法を他の別居親にもしてもらえたら必ず社会に知ってもらえるから別居親にもこれを伝えたいとも語り続けました。
羽田さんの妻への私怨は一切ありませんでした。もちろん、自分が被害者だといった発言もありません。
検事側は立証に苦戦
そして、検察側が彼の悪意を立証するのに苦労しているのを私は感じました。
というのは、検察側は、事件当時のことではなく、事件前の過去に、彼が妻が住むエリアに妻の行為を知らしめるチラシを配ろうとしたことや、妻に大事(おおごと)にならない前に子どもに会わせたらどうだと伝えたことを持ち出し、その延長上の行為であり悪意があるとしたかったよう必死だったからです。この検察側の主張を私が普通の感覚で聞いていて、「ここまで会いたがっているのになぜ奥さんは会わせないんだろう?」と妻側の頑なさのほうを不思議に思い、こんな風に羽田さんが追いつめられるのも仕方ない気もしました。
検察側には説得力がありませんでした。
今回の羽田さんの行為について審議するには、私のような当時の彼をリアルに知る第三者の証言が必要ですし、また、私のような一般の感覚を反映して審議すべきことだと、私は考えます。
羽田さんが求めるのであれば私は彼の証言者となり、一般の感覚を踏まえて審議してくれるよう力を尽くしたいと思っています。(2023.8.11 森めぐみ・フリージャーナリスト)