「現行制度でもDV保護命令できる」批判も
2023年05月24日 18:30
離婚後の共同親権導入に反対してきた、DV(ドメスティックバイオレンス)被害者を支援する民間の4団体が23日に東京・霞が関で記者会見を開き、制度案の一つに、子どもの「居所指定権」を親権者である父母双方に与える案が上がっていることに「子どもと同居親を危険にさらすことになる」などと反対した。
しかし、この一方的な主張に別居親たちが猛反発。「現行制度でもDV保護命令や支援措置ができるのに矛盾ではないか」などの批判が噴出した。さらには会見した4団体代表のうち、制度案を議論している法制審家族法制部会の現職委員である赤石千衣子氏(認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長)が出席して持論を述べたことについても「利益相反ではないか」との指摘がなされている。
記者会見は厚労省で行われ、赤石氏のほか、共同親権反対論者として知られる認定NPO法人「フローレンス」会長の駒崎弘樹氏らが出席。東京新聞によると、赤石氏は「DVや虐待の被害者を危険にさらすものだ」、駒崎氏は「国民がリアルタイムで内容を知ることのできない会合で、DVや虐待の実態と懸け離れた議論が行われている」などとそれぞれ持論を述べたという。
会見の模様は共同通信や東京新聞が同日夕に配信。朝日新聞は速報に加え、編集委員が署名記事で会見に出席したDV被害者の声や生々しいエピソードを詳しく紹介する力の入れようだった。
しかし、これらの報道に対し、ツイッターでは、別居親たちから
原則共同親権制度であって強制ではない。民法にはすでに親権剥奪及び停止の制度がある
離婚の理由はDVだけではない、むしろ一部に過ぎないのにあたかもそうであるかのような話を前提に反対を言うのは印象操作でしょう
そんなに危険なら民間では無く警察等が保護する仕組みにするだけ
などの指摘や批判が相次いだ。
また、法制審委員の赤石氏の“場外パフォーマンス”に対しても「法制審の決定にイチャモンつけていい立場なのか」「意見があれば、法制審議会で議論すべき」と厳しい注文が続出した。
共同通信が指摘するように記者会見した団体側は、制度導入への“危機感”を募らせているとみられるが、荒れ模様のネットの反応を見た霞が関の関係者は「仮に自分の所管する審議会の委員が、外部で勝手に審議会の意見を誘導するような発言を繰り返していたら問題に思う」と疑問を呈していた。