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両親の離婚後、ずっと抱えている私の複雑な感情
講談社with
こんにちは、有村藍里です。
今週は、私の複雑な感情の話です。
両親が離婚してからの私の心の問題で、私からは祖父母や親戚と連絡を取らなくなってしまいました。もう何年も会ってないし、連絡もできてません。
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私の心は、とても複雑で頑固でまどろっこしくて、いつも遠回りしていて気難しくて面倒くさい。
以前の私は、人との出会いは怖いものだと思っていました。いつかは何かしらの理由で、どんな形であれ別れが来るかもしれないと思ってしまう。それを先に想像してしまってとてつもなく寂しく感じてしまうんです。この世の終わりくらいの気持ちになってしまいます。
最近、もう何年も会っていない遠くで暮らしている祖父が闘病していることを知りました。それを聞いても私は、すぐには何もできませんでした。
連絡したくない気持ちであるならしなければいい。でも、そうじゃない。なにかが心に引っかかっているだけ。頭の片隅には時間が止まったまま動けない自分がいるような気がして、なんだか悲劇のヒロインを気取ってるみたいでそれが心底嫌です。
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でも、私はあの頃よりは確実に前を向いているし、一歩ずつだけど前進しているし、変わったと思う。
ただ、どうしても変われない部分がまだ少しあるのかもしれません。
両親が離婚してからは、みんなと仲良く普通に接することがどうしても私には難しかったんです。
母や妹と楽しく暮らせるならそれだけでいいやって思っていました。
でも本当にそのままでいいの?って自分の頭のどこかでふんわり思っていて、その感情を見て見ぬ振りして過ごしてきたような気がします。
今、祖父に連絡しなくていいのか。
じわじわと色々な感情が押し寄せてくる。
自分のこういう意地っ張りで頑固なところにうんざりします。
引きこもったり、学校に行かなかったりというネガティブな話が多い私ですが、そんな私にも大切な思い出はたくさんあります。
色々あったけれど、振り返ってみれば楽しかったことの方が多い
講談社with
現時点での人生を総合で振り返ると、楽しかったことの方が多いです。
幼少期は夏休みに毎年、遠くで暮らしているほうの祖父母の家に遊びに行くのが恒例行事。色んな場所へ連れて行ってもらえて楽しかったし、家には畳と縁側があって、そこで寝転がってダラダラと過ごす時間が好きだった。祖父の軽トラックの横に座ってドライブするのも好きだった。
祖父母の家に向かう時には、飛行場で見送ってくれる母との短い別れに大号泣して妹に慰められる始末。帰りは帰りで祖父母たちとの別れが寂しくて大号泣していました。
感情の起伏が激しすぎて、幼いながらにそんな自分が恥ずかしいとも思っていました。
近くで暮らしているほうの祖父母に会いに行くのも好きでした。台所に立ってる姿を今でも思い出します。祖母は手先が器用で手芸や切り絵が大好きで、お人形の洋服を編んでくれたり、可愛いお花のビーズの指輪を作ってくれた。祖父は、寡黙なイメージであまり話した記憶がないけれど、遊びに行った時は少し嬉しそうな顔をしてくれていた気がする。
人生に行き詰まった時に、祖母の家にしばらく引きこもっていた時期もあります。
私がまだとても不安定で進路に悩んでいた時は、「あなたのことが心配。幸せに暮らしてほしいな」と声をかけてくれました。
近くで暮らしていたほうの祖父母はもう天国に旅立ったので、今は会うことも話すこともできません。
今こうやってアパレルブランドを手掛けさせてもらったり連載でコラムを書かせてもらったり、メディアに出させてもらったりしていて幸せに暮らしてるよ、と今の私のことを見せたかったです。そして安心してもらいたかったです。
そして今、
遠くで暮らしている闘病中の祖父に連絡して、「私は元気に暮らしてるよ」「おじいちゃん、がんばってね」と、ただ伝えたいだけなのにどうしてすぐにできないのか。祖父はずっと私のこと気にかけてくれているのに。
なんで何年も連絡できていないんだろう。
自分でも分からないとても複雑な感情です。
このままだと、また変わることができないままの私が残ってしまいそう。また一歩進みたい。連絡することなんて、なにも怖くないのに。何に悩んでいるんだろう。
考えて考えて考えて、やっと辿り着いた答えが、私は多分もう何も失いたくないって思っていただけ。それが正解なのかももはや分からないし、答えを美化しているような気もするけれど、もう答えなんてなんでもいいや。
やっぱり勇気出して、連絡してみます。
一歩踏み出せたらまた自分のことも好きになれそう。
今週も、最後まで読んでくださってありがとうございます。
有村藍里
【Profile】 有村藍里(ありむら・あいり)
講談社with
1990年8月18日生まれ/O型/兵庫県出身
趣味:カメラ
中学時代に引きこもりで人見知りでネガティブな性格であり、そんな自分を変えたくて、16歳の時に芸能界入り。引きこもりやネガティブな性格から脱却するための努力や逆境を乗り越える姿が、同じような境遇の悩みを抱える女性から多くの支持を得ている。2019年3月、美容整形を受けたことを公表し、その正直に打ち明ける姿と有村が持つ雰囲気により多くのファンから共感を得た。