ムガベ前大統領一族の莫大な財産、娘の離婚裁判で明らかに ジンバブエ

5/4(木) 13:43配信

AFP=時事

【AFP=時事】ジンバブエの故ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)前大統領一族が蓄えた莫大(ばくだい)な財産が、娘のボナ(Bona Mugabe)氏(33)の離婚裁判で明らかになっている。提出された目録には、約8000万ドル(約107億円)相当の財産が記載されている。

ボナ氏は今年、9年間連れ添った夫で元パイロットのシンバラシェ・ムツァフニ(Simbarashe Mutsahuni)さんとの離婚裁判を申し立てた。

 夫が提出した財産目録には、高級住宅や農場、高級車、現金約100万ドル(約1億3000万円)など多数の夫婦共有財産とボナ氏の特有財産が記載されている。

 夫は離婚に反対しているが、仮に離婚が成立した場合、3人の子どもの共同親権と、夫婦共有財産の分与を認めるよう求めている。  目録に記載された財産の数々とその価値は、慢性的な貧困と停電、極度のインフレに苦しむ国民を動揺させるものとなるとみられる。

 目録には、農場21か所、4000万ドル(約53億8000万円)相当のものを含む首都ハラレ郊外の高級住宅25軒以上、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)の大邸宅800万ドル(約10億8000万円)相当、80万ドル(約1億1000万円)相当のロールス・ロイス(Rolls Royce)車やレンジローバー(Range Rover)車3台などが記されている。

 さらに、ボナ氏は「多額の外貨を現金で」保有しており、夫婦の自宅から「バッグで現金76万ドル(約1億円)」を持ち出したという。

 ムガベ氏はジンバブエが英国から独立した1980年に首相、87年に大統領に就任し、2017年11月に辞任するまで君臨。19年にシンガポールで95歳で死去した。

 ムガベ氏は大統領在任中、物議を醸した土地改革で強制収用した農場を複数所有していると報じられたが、ムガベ一族の正確な資産額は依然明らかになっていない。

 19年に公開された財産目録によると、ムガベ氏は現金1000万ドル(約13億円)、自動車10台、農場1か所、住宅2軒を残したとされる。

 ムガベ氏の妻グレース(Grace Mugabe)夫人は、世界中で高額な買い物を繰り返し、メディアに「グッチ・グレース(Gucci Grace)」と呼ばれた。【翻訳編集】 AFPBB News

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