〈証言台が倒れ、手錠をかけられて退廷〉元妻中傷で逮捕の元プロ棋士「泥沼ブチギレ裁判」一部始終

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4/23(日) 11:15配信

NEWSポストセブン

 今年1月17日、自身のツイッターに元妻を中傷する投稿をしたとして、元棋士の橋本崇載被告(39)が名誉毀損容疑で逮捕された。橋本被告は現役時代、個性的なファッションや発言で注目を集め「ハッシー」の愛称で広く親しまれたが、2021年4月に突然の引退宣言。その背景には、元妻との離婚トラブルがあったという。将棋連盟関係者が語る。

「橋本被告は2017年に結婚したが、2019年の7月、妻が生まれたばかりの子供とともに突然姿を消したそうです。実子に会えない苦しさから心身の体調を崩し、公式戦も1年以上休場することになった。そのまま、将棋連盟に迷惑をかけられないという思いで引退することとなりました」

 引退後、橋本被告は元妻に対して攻撃的な発信を繰り返すようになる。昨年12月には次のようなツイートが問題視され、元妻に対する名誉毀損の疑いですでに一度逮捕されている。

〈養育費も払わないクソ野郎がグチャグチャ言うなと言われたって 払いたくても払いようもない こんな理不尽にもずっと耐え続けて 替えの効かない仕事辞める羽目になって これがわからない世の中なんて無差別殺人起こしてから自殺したる〉

「2度目の逮捕となった今回は、昨年11月にした別のツイートが原因です。ツイートには元妻の本名と住所が書かれ、『僕を地獄の底に落とした殺人鬼』と中傷した。問題となったツイートをした前日にも裁判所に対し『反社会組織が ガソリン撒いて火つけたってもええんやぞ なめんな』と、自暴自棄なツイートを繰り返していました」(前出・将棋連盟関係者)

 今回の逮捕容疑に関する裁判で、橋本被告の初公判があったのは3月17日。4月12日、大津地裁で2度目の公判が開かれたが、そこで大きなトラブルがあった。当日の裁判を傍聴したライターの普通氏が振り返る。

「裁判そのものの内容は地味なものでしたが、異変があったのは次回期日を決めている最中のことでした。橋本被告が『保釈請求について不服がある』として、裁判長の許可を得て証言台に座ると、そこから3つほど質問を続けました。裁判官が『意見を述べることは認めますが、質問にはお答えできません』『発言を禁じます』と繰り返すと、橋本被告も次第にヒートアップ。『なぜ話を聞いてくれないのですか』と続けるうちに退廷を命じられ、警察官に手錠をかけられました。

 それでも『傍聴人もみんな見てますよ』『こんな裁判やっても仕方ないでしょ!暴力で言論を封じて!』などと抵抗し職員と揉み合ううちに、ダーン!と大きな音が鳴り、証言台が倒れました。誰がぶつかったのか、押したのかまではわかりませんでした。1000件以上裁判傍聴をしていますが、証言台が倒れたのは見たことがありませんね。

 橋本被告としては、逮捕されてからの4か月で4回保釈を請求したが通らず、携帯電話も没収されたままだったことも、不満のひとつにあったようです。一般論として、名誉毀損の裁判でこれだけ保釈が認められないのは珍しいと言える」

将棋界を越えて愛された「ハッシー」は、なぜここまで変わってしまったのか。日本の民法では離婚が成立した場合、片方の親のみが親権を持つ単独親権制度が採用されており、橋本容疑者のケースでは元妻に親権が認められていた。橋本被告は引退後、「共同親権」を呼びかける運動を始めていた。

「『子供の連れ去りは犯罪だ』『妻に全てを奪われた、民法を変えないといけない』と、SNSや講演会で発信を続けていた」(将棋ライター)

 一方で、共同親権に関する議論も進んでいる。法制審議会の部会は今月18日、離婚した父母の双方が親権を持つ「離婚後の共同親権」の導入を前提に今後の議論を進めていくことで合意した。「離婚後に単独親権しか選べない現行制度は、社会情勢の変化によって合理性を失っている」などとする意見が多数を占めたという。

 橋本被告の場合、家を出た元妻が橋本被告からDVの被害を訴えていたことを、橋本被告自身が「デイリー新潮」の取材で明かしている(本人はDVについて否定)。今後共同親権の制度が導入されたとしても、橋本被告のケースで認められるかどうかは不透明だ。

「愛されキャラ」は皆に愛される姿を取り戻せるのか――。裁判は今後も続く予定だ。

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