親権ない妻の子連れ別居「違法」 助言の弁護士にも責任 高裁が維持

弁護士さんたちは、脱法行為が違法とされるのが許せないようです。

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1/26(木) 13:31配信
朝日新聞デジタル

東京高裁=東京都千代田区

 親権がない元妻が2人の子どもを連れて別居したのは違法だとして、40代男性が元妻と、元妻に連れ出しを助言した代理人弁護士らに1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁(小林宏司裁判長)であった。高裁は元妻と弁護士2人に110万円の賠償を命じた一審・東京地裁判決を支持し、男性側、元妻側双方の控訴を棄却した。

 地裁判決によると、原告の男性は2015年、2人の子の親権者を男性と決めて元妻と協議離婚した。その後、子どもとともに元妻と再び同居したが、元妻は16年に男性の同意を得ずに子どもを連れて別居した。その際、弁護士は元妻に対し、連れ出すことに肯定的な助言をした。

 地裁判決は、元妻が連れ出した時点の子どもの親権は男性にあったと認め、「離婚後も復縁を予定した内縁状態で、離婚前の共同親権の状態と同じだった」とした元妻側の主張を退けた。元妻の行動は「子どもと不法に引き離されることがないという親権者の利益を侵害した」と判断した。

 また、元妻の代理人弁護士2人が子どもの連れ出しを肯定したのは人身保護に関する過去の判決にそぐわず、「独自の見解に基づく違法な実力行使を助言した」として賠償責任を認定した。

 そのうえで、男性が一方的に夫婦生活や子育てのことなどを決めた念書に、元妻が署名をさせられていたことから、男性の「支配的姿勢」を認め、「男性が今回の別居に追い込んだ面も否定できない」として、元妻側の賠償額は110万円が相当と結論づけた。

 これに対して男性側、元妻側の双方が控訴していた。

 高裁は改めて「親権者の指定は重要な意味合いと効果を持つ」と指摘し、元妻が連れ出した時の状況は「(元妻側が主張する)共同親権の場合に準ずるものではない」とした。

 そのうえで、男性の元に子どもを残しても「子の福祉が害される危険があったとはいえない」として、元妻の行動を「違法」とした地裁判決を維持した。

 助言した弁護士についても「仮に親権者が変更される可能性があると考えていたとしても、別居のような実力行使を助言することは正当化されない」とした。

 男性側は控訴審で元妻に命じられた賠償額の増額を求めたが、高裁は認めなかった。

 高裁判決後の会見で男性は「突然子どもを奪われて悲しい思いをしている親が日本にはたくさんいる。子どもを連れて出るように法律の専門家から言われれば信じてしまう。弁護士が違法な助言をしたと裁判所が認めてくれてよかった」と話した。

 一方、賠償を命じられた弁護士も会見を開き、元妻の当時の状況について「男性から支配されて自由がなく、精神的に追い詰められていた」と説明した。判決については「今後、離婚や子どもをめぐる相談に、弁護士が助言するのをちゅうちょせざるを得なくなる。非常に残念」と述べた。(村上友里)

朝日新聞社

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