https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230113/k10013948161000.html
2023年1月13日 7時20分
幼い子どもの育児に父親が関わることが多いと思春期になったときに精神状態が不調になるリスクが低くなる傾向があることが、国立成育医療研究センターのグループが大規模な子どもの追跡調査を分析した結果、分かりました。父親が育児に多く関わることが、リスクの予防につながる可能性があるとしています。
分析結果は国立成育医療研究センター社会医学研究部の加藤承彦室長らのグループが精神分野の国際的な科学雑誌に発表しました。
研究グループは2001年に生まれた子どもの成長や生活について長期にわたって調べている国の追跡調査をもとに、およそ1万8500人の子どもがいる世帯について、父親の育児の関わりと思春期での精神状態との関係を分析しました。
その結果、子どもが生後6か月の段階で、父親がおむつを取り替える、入浴させる、遊び相手をするなどといった関わりをいつもするか、ときどきすると答えていた場合、ほとんどないなどと答えていた場合に比べて子どもが16歳の時点で精神状態が不調になるリスクが、およそ10%低かったということです。 身近な人に対する愛着が形成される早い時期から、父親が育児に多く関わることが長期的に子どもの精神状態が不調になるリスクの予防につながる可能性があるとしていて、加藤室長は「育児休業は取りやすくなってきているが、さらに父親が育児に参加しやすい環境を作ることが必要だ」と話しています。
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