親子関係が自然権だけどね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8903f41269a15f90b0932f42db8d16205648ad34
12/19(月) 15:22配信
毎日新聞
支援者らに向けて講演する岡村晴美弁護士=松山市三番町6のコムズで2022年12月4日午後2時27分、斉藤朋恵撮影
「離婚後の共同親権」の導入をめぐり、法相の諮問機関である法制審議会の部会がまとめた中間試案について学ぶ研修会が松山市であった。長年DV(家庭内暴力)やハラスメントの防止に取り組んできた岡村晴美弁護士(愛知県弁護士会)が講演。DV被害者やシングルマザーの支援者ら約15人が参加した。
試案では、離婚後の共同親権を導入する案を盛り込んだ一方、現行の離婚後の単独親権を維持する案も示されている。養育費や親子交流など、関連する論点も併記されている。
離婚後も共同で親権を持つことで親としての自覚が高まるなどの意見がある一方で、DVや虐待の被害が続きかねないという意見もあり、賛否は激しく対立。研修会を企画したシングルマザー交流会松山(松山市)などが加盟するシングルマザーサポート団体全国協議会は導入に反対している。
岡村弁護士は自身の弁護経験に基づきDVや虐待の実態を解説。DVは一般的には身体的暴力が想像されるが、目に見える暴力よりも家庭内の力関係により人格が軽んじられることが本質的な問題であり、「精神的暴力は軽くない」と語った。中には被害者自身がDVを自覚していない場合もあるという。
また、試案は離婚後の親子交流にも言及しているが、岡村弁護士はこれを疑問視。面会交流が明記された2012年の改正民法の施行以降、「面会は良いこと」という考えが原則となり、子どもの意見が尊重されてこなかった経緯があるとしたうえで、過去に虐待を受けていた場合などにむやみに面会を促進すれば大人への不信につながりかねないと語った。
岡村弁護士は「現行法でも(離婚後の父母が話し合って決める)共同決定の取り決めは可能だ」として共同親権導入の必要性が低いことを強調。「(賛成派が主張する)『家族の絆』や『親権は自然権』という概念にすがると、DVや虐待の軽視につながってしまう」と警鐘を鳴らした。
共同親権導入をめぐっては、国民の意見を募るパブリックコメントが23年2月17日まで実施されている。【斉藤朋恵】