夫婦生活は破綻も「子どもに会いたい」…面会交流と共同養育について弁護士が解説

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12/14(水) 10:46配信
幻冬舎ゴールドオンライン

(※画像はイメージです/PIXTA)

離婚が成立していても、していなくても、子どもとの面会については何かと揉めがち。離婚前後、子どもと離れて暮らす親が我が子に会う「面会交流」について、世田谷用賀法律事務所の代表、弁護士の水谷江利氏が解説します。

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面会交流の時間や頻度、相場はあるのか

「面会交流」というのは、子どもと離れて暮らす親が、子どもに会うことです。本質的には両方の親とかかわりをもつための子の権利ともいわれますが、夫婦の争いにおいては、親の権利として親同士の議論になることが多いように思います。

面会交流の論点は、離婚前後を問わず問題となる論点です。つまり、離婚前でも、別居中においては子と離れて暮らす親は、一緒に暮らす親に子との面会を申し入れることができますし、離婚後においても同様です。

家庭裁判所では「月に1回・2時間が相場」、などというインターネット記事があると聞きますが、相場などではありません。

ただし、面会について一方が必ずしも積極的ではない場合には、合理的に許容できるラインとして設定されることがある数字ではあります。
面会交流がなされていない場合、家庭裁判所がとれる措置とは

面会については、不履行があった場合には、家庭裁判所に「履行勧告」をしてもらえるほか、その実施方法について家庭裁判所の調停で日時(頻度)、場所、時間等を具体的に定めてある場合は実施されなかった時に「違約金(1回につき3~5万円といわれるが収入にもよる)」の命令をもらうことができます。

これを、お金で間接的に面会の履行がされることを強制するという意味で「間接強制」といいます。逆に言えば、子どもをひっぱってでも会わせてもらうようなことはできませんから、「直接(の)強制」はできないことになります。

なお、「公正証書」で定めた面会については、家裁の履行勧告や間接強制は適用されませんので、ご注意ください。
昨今の「共同監護」「共同養育」について

最近、家庭裁判所の調停においても、法律相談においても、一方の親が子に「会わせてもらう」権利としての「面会交流」ではなく、離婚後ももう一方の親に子育てに関与してほしい、という意味での「共同監護」「共同養育」について、当事者間でお話合いがされることが目につくようになってきました。

共働き家庭が増えて、離婚前から夫婦が両方とも相当程度ずつ子育てに関与するようになってきたことや、「共同親権」の議論がなされるようになったことが社会的な背景として挙げられると思います。

現行の民法は、離婚後の親権を夫婦の一方と定める一方(819条1項、2項)、監護権についてはいずれか一方と定めるべきという規定を持っていません。そのため、離婚後も共同監護をすることそのものは当然ながら問題はありません。

離婚後も子どもと関わりたい人もいれば、そうでな人もいる

一方で、「離婚後も子育てにかかわってほしい」という要望を、「権利」として実現する手段はありません。唯一、非監護親からの「養育費」が義務として位置づけられているだけです。そうしますと、離婚後に子育てに協力し合えるかどうか離婚後についても、親としてはお互い協力しあえるかどうかにかかっています。

同様に、「できるだけ会ってほしい」という片方の親からの要望が、残念ながら叶わないことがあります。何が何でも「子どもに会いたい」という親御さんがいるのと同様に、逆に「金輪際、会わない」という淡白な方がいるのも事実です。会いたいのに会えないということが問題であるのと同様に、子どもと会ってほしいのに会ってもらえないという問題は、なんとも切ないものです。
面会交流を拒絶されたら…弁護士に相談を

面会については、仲の悪くなった配偶者には子を会わせたくないとして、監護親から拒絶を受ける事案が後を絶ちません。

その理由が暴力、暴言その他合理的な場合にはよいのですが(そうかどうかが問題)、監護親の感情的な問題である場合も少なくなく、子どもの意向などについて慎重に調査がされることになります。些細な質問で、まずは弁護士に相談するのが得策です。

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