https://news.yahoo.co.jp/articles/8980d9c48bebd0fd9ad3a5074ca7d8d4e7f12db7
10/18(火) 11:30配信
アンジェリーナ・ジョリーが、今月4日に元夫のブラッド・ピットを相手取って「家庭内暴力(DV)」被害を受けたとして新たな訴訟を起こしたことが話題になっていますが、この2人が離婚したのは3年も前のこと。しかも、このDVが起きたとされるのは今から6年も前の2016年のことなので、「なぜ今さら?」と首をかしげる人も多いことでしょう。
そもそも、この2人が今もまだ5人の子供たち(当時は6人でしたが、1人は成人したため現在は5人)の親権を巡って争っていたことさえ知らなかったという人もいると思いますが、終わらない2人の泥沼バトルの背景には何があったのでしょう。
ピットとジョリーは、映画「Mr.&Mrs.スミス」(05年)で暗殺者の夫婦役で共演したことがきっかけで恋が芽生えたと言われています。この時、ピットはジェニファー・アニストンと婚姻関係にあったことから、不倫の末の略奪愛だったことがメディアを賑わせました。ピットはその後、アニストンと離婚。ジョリーとピットは、06年に初の実子となるシャイロちゃん(16)を授かり、その後も双子の男女をもうけ、3人の養子も育てる大家族として幸せな生活を送っていました。長年事実婚だった2人は、14年8月に南仏の古城にて結婚式もあげ、ついに正式な夫婦にもなりました。
しかし、結婚生活は長くは続かず、16年9月にジョリーが離婚を申請。今回ピットからDVを受けたと主張しているのは、離婚のきっかけとなったプライベートジェット機内で起きた事件です。当時の報道では、長男マドックスさんとピットが口論となり、酒に酔っていたピットが手をあげたというものでした。この件に関し、米連邦捜査局(FBI)が事実関係の捜査に乗り出したものの、ピットが虐待の容疑で逮捕、起訴されることはありませんでした。
しかし、これがきっかけでジョリーは、6人の子供たち全員の単独親権を求めて離婚を申請。現在も2人の間で成人したマドックスさんを除く5人の親権争いは続いており、裁判を有利に進めるためにジョリーが改めてこの事件を持ち出し、「DV被害」でピットを訴えたのではないかとの臆測が出ているのです。 そして今回、裁判所に提出された文書では、これまで明るみになっていなかったこともいくつか記されていました。その1つはピットがマドックスさんだけでなく、もう1人別の子供にも暴力を加えていたこと。さらに、ジョリー自身も「頭や肩をつかんでゆすられた」とDV被害を主張しており、機内でピットが自分や子供たちにビールやワインをかけたとも証言しています。
ピットの広報担当者は、これらの主張は事実無根だとDVを否定していますが、もし仮にこれが事実なら、6年たってなぜ今さら訴えを起こしたのでしょう。考えられるのは、長きにわたった親権争いで、昨年5月に判事がピットに共同親権を与えることを暫定的に認めたことが挙げられます。この判決を不服とするジョリーは、担当判事とピットの間にはビジネス上の関わりがあるとして「倫理的義務に違反する」と異議を申し立て、判事の解任と裁判のやり直しが決まりました。実に離婚申請から6年が経過してもなお続く親権問題が、自分の望み通りに進まないことに焦りのあるジョリーは、再び元夫が共同親権を持つことが認められないよう、このタイミングでDVでの訴訟に踏み切った可能性があるのです。
ネットでの反応は様々ですが、「DV夫と離婚してよかった」「DV夫なんていらないでしょう」といった書き込みもあることから、ジョリーの味方をする世論も出ています。
実はこの2人、親権だけでなく、南仏に所有するワイナリー「シャトー・ミラヴァル」を巡っても争っています。08年に共同購入したワイナリーは、結婚式をあげた思い出の場所でもありますが、ジョリーがピットに無断で自身の所有権をウォッカなどを販売するロシアの会社に売却したことが発覚。ワイン造りに並々ならぬ情熱を注いできたピットは、元妻が勝手に所有権をライバル会社に売ったと激怒し、ジョリーを訴えたのです。
しかし、これに対してもジョリーは、ピットがDVに関して秘密保持契約を結ぶよう迫ってきたことで交渉が決裂し、第3者に売却せざるを得なかったと主張して反訴。ワイナリーを巡っても泥沼の争いが繰り広げられています。 かつては愛し合って結婚した2人なだけに、子供たちのためにも平穏な日々を1日も早く取り戻すことを願わずにはいられません。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)