宗教2世と共同親権 その①

2022年10月9日

真賢くん: 宗教2世問題が最近、大きく取り上げられていますね。この前、ボクの友達が面白いアイディアを教えてくれたんです。

京堂仙人: ほう、どんなものじゃ。

真賢くん: 日本では、親権が強すぎるから子どもが親のカルトから離れられないんだって。だから、「子どもが親から離れる権利」を法律で認めれば、宗教2世問題は解決するんじゃないかって。

京堂仙人: ほう、そうするとどうなるんじゃ。

真賢くん: 親からカルトを強制されている子どもが、権利を行使すれば、カルトから脱会することもできるようになると思います。すばらしいアイディアだと思いませんか。

京堂仙人: なるほどな。では、その制度のデメリットは何だと思うかね。

真賢くん: デメリット? 子どもが自分の意思を実現できるようになるのだから、こんな素晴らしい制度はないと思います。デメリットなんて考えられません。

京堂仙人: 真賢くん、君はまだまだ若いね。デメリットが一つもない制度なんて存在しないんじゃよ。どんな制度にも、メリットとデメリットがあることを前提に議論しないとダメじゃ。そうでないと、下界にうじゃうじゃうごめいている単独親権論者と、同じレベルに堕ちてしまうぞ。

真賢くん: そうですか。。。では、親から離れる権利のデメリットって何ですか?

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京堂仙人: これではカルト側が逆に、簡単に制度を悪用できてしまうんじゃ。親の目が届かない所で子どもを洗脳して、どんどんサティアンに集客できてしまう。こうなってしまうと、親には子どもを取り返す手段がなくなってしまうのじゃよ。

真賢くん: なるほど。。。そんなこと考えてもいなかった。よく考えてみると、明らかな反社会的勢力でなくても、半グレ集団とかが子分に対して、親を捨てて自分の元で暮らすよう事実上強制しても、それが「本人の意思である」ということで片づけられてしまうかもしれませんね。

京堂仙人: 親権が強すぎるとか欠点をあげつらう前に、そもそもなぜ親権制度が下界には存在するのか、確認せずに議論を始めてしまったのが、間違いの始まりじゃ。

真賢くん: 親権制度の意義って、何ですか?

京堂仙人: 子どもの幸福を考えて実現し、かつその責任を負えるのはたいていの場合、産みの親であるからじゃ。もちろんそうでない親もいっぱいいるし、残念ながら両親とも亡くなってしまった子どももいる。その対処法はきちんと考えなければならないが、だからといって、原則と例外を逆にしたところで、問題は何も解決しないのじゃよ。

真賢くん: 確かに「子どもが親から離れる権利」を認めるのは、親権制度の根本的な否定ですね。今現に親権制度が存在するのは、大きな社会的メリットがあるからであるはずで、そんなことをすればメリットの方がどうなってしまうのか、きちんと考えないとダメですね。

京堂仙人: 真賢くん、君はのみ込みが早いね。下界の単独親権論者とは大違いじゃ。

2年前