13年ぶりの親権回復、ボルドーからの手紙

2022年3月1日 ボルドー控訴審判決 共同親権が復活する。 面会時間が従来の2週間に2時間面会所の中のみから11時から17時に大幅に改善される。外出も認められる。2009年12月に虚偽のフランス旅行でフランスに来て、2010年1月の初のフランス裁判から実に12年ぶりに初めて子供と誰の監視の目もなく自由に外に出る。
当日までどう子供と外で接していいのか面会所で会う期間が長すぎてわからないぐらい悩んだが、自然体で車で色々とショッピングに出かけた。初めて目にする子供と他人とのやり取りが印象的だった。


2022年8月17日 ボルドー控訴審最終判決 前記の3月1日以降7月まで公的調査官が母親そして子供及び私の身辺調査を行い、最終的面会時間や子供の定住居、養育費についての調査が行われました。

共同親権は確定。面会時間のステップアップ式改善。

  • 8月17日~3か月間(11月17日まで) 第1、第3、第5週の土曜日の10時から18時 外出OK 母親の家までの送り迎えは父親
  • 11月18日~3か月間(2月17日まで) 第1、第3、第5週の土曜日の11時から翌日曜日の17時まで 宿泊OK 母親の家までの送り迎えは父親
  • 2月18以降 第1、第3、第5週の金曜日の19時から日曜日の19時まで 宿泊OK 母親の家までの送り迎えは父親金曜日
  • 夏休み、春休み等 奇数年の夏休みの後半分を父親と過ごす。偶数年は夏休み前半を父親と過ごす。 
  • 日本への旅行は3月1日の時点では禁止されていたのですが、8月17日の判決では母親の了承があれば渡航しても良いという事になりました。
  • 2023年12月までAEMO AGEPという子供と両親の関係を中立的な視点で観察・援助する公的機関の方の介入は継続します。
  • 子供の母親との話し合いもMEDIATIONという公的機関が入り、第3者の判断を仰ぎながら2カ月に一回の頻度で継続していきます。

共同親権になったので、一緒には住んでいませんが、母親と同等の権利となったのは3月からです。
失われた子供との時間は取り戻せないですが、前向きに子供との失われた時間を取り戻したいです。
早速、8月17日後の面会でボルドー市内から1時間以上の田舎にある私の家に子供たちが初めて来ました。ワイナリーとして醸造所もあるので、父親の仕事も見せたいと常々思っていました。また丁度収穫時期だったので、ブドウの収穫も手伝ってくれました。本当に奇跡のようなことです。すぐ日本の両親ともラインで繋がってコミニケーションを取りました。
日本には4歳(長男)と1歳(長女)までいた子供たちですが、日本語教育は完全に消えており、これから少しづつ日本語を教えていけたらと思う次第です。

10年以上も生活のためにフランスでワイナリーを興したり、色々な仕事をして生活費や裁判費用を作っていました。

おかげさまでワイナリーは今ではそれなりに有名になり、ワインができればすぐに予約完売する状況です。そんな事業と親権裁判は並行して行っておりました。大変ですねと言われますが、どちらも相乗効果で親権裁判が無ければ、ワイナリーでもここまで実績を上げることができなかったと思います。厳しい裁判で全文フランス語で戦い、時には子供にうその診断書を作成した医者とも戦い、弁護士さんなしで勝訴しました。そんな一つ一つの積み重ねが自信にも繋がりましたし、逆に日本人がフランス文化の象徴でもあるワインを作ったことでメディアなどで取り上げられたことで少なからず、直接的ではないにしろ裁判にも好影響を与えたのだとも思います。


そこで、次の目標は来年の夏に日本に子供たちと1~2週間の旅行を考えております。祖父母も年をとりますので早く会わせたいと思う一心です。これからは子供たちの日本国籍の事であったり、パスポートの事であったり行政的な手続きにどこまで共同親権で対応できるのか試してみたいと考えております。日本の国内法の整備がまだだと思うのですが共同親権をどこまで適応できるのか・・・

納得に行かない部分もありますが、フランスから見た外国人だから一方的に親権もはく奪されて、子供と離れ離れにされ、ものすごい嫌がれせ受けながらの生活からは大きく改善されました。ものすごい量の資料作成と、現地のフランス人の父親援助の福祉団体の方々の支えが大きいです。本当に助けてもらいました。

何かまたご相談させていただくと思いますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。




(内田 修 フランス・ボルドー)

2年前