離婚後の親権 子の利益最優先で検討を

ふわっとしてます。

https://www.sankei.com/article/20220831-KLYTULBB6ROJVF7XYG2CRIMJ7M/

2022/8/31 05:00

親権のあり方など離婚後の子供の養育について検討中の法制審議会の家族法制部会が8月中に予定していた中間試案の提示を延期した。

自民党の法務部会などで「分かりにくい」などの意見が出たという。

夫婦が離婚しても親子の関係は切り離せない。子供の最善の利益を念頭に親がさまざまな決定をしていくことが何よりも重要である。

最大の争点は、離婚時に父母の双方が親権を持つ「共同親権」を認めるかどうかだ。現在は、どちらか一方が親権を持つ「単独親権」である。原則的には離婚後の夫婦が等しく、子供の養育に権利と責任を持つことが望ましい。

7月に示されたたたき台では、現行制度を維持する案と共同親権を選べる案の2案が示された。共同親権を選んだ場合は、日常的に子供を世話する「監護者」を定めるかどうかや、監護者だけで病気の際の治療方法や進路などを決められるようにするかどうかなどの選択肢が示された。

海外では共同親権を取る国が多い。日本でも子供が父親とも母親とも接点を持ち、愛情を確認しつつ成長できるようにしたい。

家庭内暴力や虐待などを経験した母子などには、再び暴力にさらされるとの懸念から共同親権に反対する声もある。子供の健やかな育ちを守るための制度の変更には、母子の安全を守る仕組みが必ず伴っていなければならない。

共同親権にすると、子供にとって重要な決定が滞りかねないとの指摘もある。進学や転居など、父母の意見が一致しないことはあるだろう。決定が優先する親を決めておくことも一つの考えだ。

離婚後の面会について、当初は公的機関が面会を仲介したり、専門家が支援したりする仕組みも重要だ。子供が別れて暮らす親に会いたければ、環境を整えるのは周囲の大人の責務である。

養育費を得ていない母子家庭が一定割合を占めるのが現状だ。子供が未成年なら、親権の有無にかかわらず、双方が扶養の義務を負うのは当然だ。離婚時の取り決めを厳格化し、確実に受け取れるようにしなければいけない。

子供が心痛めるのは何よりも、父親と母親が争ったり、いがみ合ったりするのを見ることだ。相手のいないところでお互いや親族を批判しないなど、基本的なルールを共有することも欠かせない。

2年前