社説:離婚後の親権 「子どものため」を第一に

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自分がわかってないのに、わかったように書く社説

8/21(日) 16:01配信

京都新聞

 離婚後の親子関係が大きく変わる可能性がある。慎重な議論が必要だ。  親権制度の見直しについて法制審議会の家族法制部会が7月に示したたたき台に、離婚後に父母双方の「共同親権」を選ぶことができる案など10近い選択肢が併記された。  

日本の民法では、どちらか一方の「単独親権」だが、海外の主要国は共同親権を採用している。法制審は8月末に中間試案を示すというが、意見の隔たりが大きく、一致は困難とみられている。  「父母双方が子の養育に責任を持てば経済的にも安定し、子の利益につながる」というのが共同親権を求める意見だ。親権争いから起きる子どもの「連れ去り」も避けられるという。  

一方、ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待があった場合、元配偶者との関わりを避けたいとの反対意見も根強い。「連れ去りでなく暴力からの避難だ」とし、子どもの安心安全が守れないと懸念する。  

どちらも、それぞれの立場からすればもっともだ。今後、方向性を示さずにパブリックコメント(意見公募)を実施する見通しだが、ここまで選択肢が多いのは前例がないという。  

見直しは、明治期から続く民法の家族規定が現代に合っていないとの問題が背景にある。法律の不備は放置できないものの、何より子どものための見直しでなくてはならない。  

国連で1989年に採択された「子どもの権利条約」を日本は94年に批准しているが、法律面の改善は遅い。民法に規定される親権の本質も問い直す必要があるのではないか。まず子どもが健やかに成長できる権利を第一に考えたい。  

たたき台は、共同親権を選択方式で導入する案と、単独親権を維持する案を併記している。選択の場合、どちらを原則と位置付けるかで案が分かれる。  

選択制は当事者の協議でどちらにするかを決め、合意しなければ判断を家裁に委ねることも想定している。共同親権を選んだ場合、子どもの治療や進路の方針を決める際の判断などを巡ってさらに細かく選択肢が分かれる。  

人口動態統計によると、2020年の婚姻件数は約53万組で、離婚は約19万組という。このうち約11万組には未成年の子どもがいた。近年は9割程度は母親が親権を持つとされる。  

現行の単独親権は子育てに関する意思決定がしやすい半面、親権を持たない方の親は面会が制限されるなど養育に関わるのが難しくなる。ただ、DVのように父母間での交渉自体が困難なケースでは、逆に子どもの不利益につながりかねない。  

被害者保護などDV対策が不十分な現状では、共同親権に抵抗があるのも理解できる。このほかにも養育費の不払いによる貧困や、子どもが会いたくても面会の取り決めをしていない問題など、親子を巡る課題解決に取り組む必要がある。  

さまざまなケースを踏まえた丁寧な議論が欠かせない。国や自治体の支援体制充実も含め、当事者である子どもたちの声にも耳を傾けてもらいたい。

2年前