〈社説〉離婚後の親権 子どもの権利 軸に議論を

信濃毎日は共同親権反対。論説不勉強すぎ。

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2022072101063

022/07/22 09:30

 親権の本質は親の権利や権限ではなく、養育を受ける権利を持つ子どものために親が果たすべき務めである。そのことを再確認し、結論を急がずに議論を積み重ねていく必要がある。

 離婚後、子どもの親権を父母のどちらかが持つ現行制度を維持するか、双方による共同親権を導入すべきか。制度の見直しを検討している法制審議会の部会が中間試案のたたき台を示した。

 単独親権の維持と、共同親権を選択できる案を併記している。選択制は単独と共同のどちらを原則とするかといった論点ごとにさらに案が分かれる。意見の隔たりが埋まらず、8月末に示す中間試案でも方向性は見えそうにない。

 年間およそ20万組に上る離婚の増加に伴い、子どもの養育に関わる争いが絶えないことが議論の背景にある。親権を持たない親は子育てに関わりにくく、子どもとの交流を断たれたり、養育費の支払いが滞ったりすることにつながっていると指摘されてもいる。

 離婚しても、子どもの養育に親として責任を持つことに変わりはない。親権を一方だけに限定せず、共同親権を認め、両親がともに子育てに関わった方がよいと考えるのは自然なことだ。

 けれど、それが常に望ましいとは限らない。DV(家庭内暴力)や虐待が背景にある場合、共同親権を認めることが加害者の立場を強め、暴力から逃れられなくなって、かえって状況を悪化させることになりかねない。

 欧州をはじめ共同親権を認めている国は多い。ただし、親権の捉え方が日本とは異なることを見落とすべきでない。ドイツは1979年に旧来の親権を廃止し、「親の配慮」に改めている。

 日本は家父長制の下で親の強い権限を認めた戦前の民法の規定が戦後もほぼそのまま残った。親権の捉え方が大きく転換するのは2011年だ。「子の利益のため」に行使することが明記された。

 それでも、親が強い権限を持つかのような意識はなお根深く残っている。親権は子どものためにあるという認識を広く社会で共有することが欠かせない。子ども本人の意思は何よりも尊重されなければならない。

 対立する両親が親権を主張し合い、板挟みになって苦しむのは子どもだ。DVなどがある場合、対等な話し合いは難しい。当事者任せにせず、離婚後も両親が子どもの養育を分担できるよう支える公的な仕組みが要る。それが親権のあり方を考える土台にもなる。

6か月前