「子どもの連れ去り」訴えたフランス人夫に親権認めず 東京家庭裁判所判決 妻に逮捕状など国際問題に 

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/89241?display=1

日本人の妻が別居の際に無断で子どもを連れて出て行ったのは「子どもの連れ去りだ」として、フランス人の夫が訴え国際的に問題になっていた夫婦の離婚訴訟で、東京家庭裁判所は子どもの親権を日本人の妻に認める判決を言い渡しました。

この裁判は、日本人の妻が、都内に住むフランス人の夫ヴィンセント・フィショさんに対する離婚と、その後の子どもの親権などを東京家庭裁判所に訴えていたものです。

妻側は、「夫による妻へのDVや子どもへの厳しいしつけがあった」「妻が一貫して育児を行ってきた」として2人の子どもの親権を主張し、DVなどを否定するフィショさん側と争っていました。

東京家庭裁判所は7日午後の判決で、妻が訴えていたDVについて主張については「暴行された事実は認められない」としたものの、「子どもたちの発育は順調で、妻の監護状況に特段の問題は見られない」という裁判所の調査官の意見をもとに、子ども2人の親権者を妻とする判決を言い渡しました。

一方で調査で、子どもがフィショさんに対して否定的な感情を示さなかったことから、「妻がフィショさんと子らとの面会交流を妨げていることは問題である」とも指摘。しかし、離婚後も父親と母親が親権をもつ「共同親権」の制度が認められていない日本では、「面会交流は今後2人が協議や調停などを通じて実現していくべき」としました。

フィショさんは2018年に妻が子どもを連れて家を出ていったことについて、「一方的な連れ去りで一度も会うことができず連絡も取れていない」と訴えていました。未成年者略取にあたるとしたフィショさんの告訴を受け、フランス司法当局は去年、妻の逮捕状を出したほか、AFP通信によりますと、去年7月、オリンピックで来日したフランスのマクロン大統領が日本政府に問題提起をするなどしていました。

日本では離婚後どちらか片方の親が親権をもつ「単独親権」が定められていますが、フランスなど欧米では「共同親権」が主流です。また、子どもを片方の親が、もう一方の同意なく連れ去ることを認めないケースも多いため、日本人との国際結婚が破綻した際、「日本人の配偶者に子どもを連れ去られた」という訴えが後を絶たず、外交問題となっています。

2年前