9/27(月) 10:33配信
リアルサウンド
Netflixオリジナル『ブリトニー対スピアーズ -後見人裁判の行方-』 9月28日(水)よりNetflixにて独占配信
9月28日からNetflixオリジナルドキュメンタリー『ブリトニー対スピアーズ -後見人裁判の行方-』が配信される。
【写真】『ブリトニー対スピアーズ 』 配信は9月28日
本作は、ブリトニー・スピアーズの後見人制度をめぐる騒動を追ったドキュメンタリーだ。今年2月には、同じ題材で米ニューヨーク・タイムズ誌の取材に基づいたドキュメンタリー『Framing Britney Spears(原題)』が米Huluで配信され、その壮絶な内容が話題となった。後見人制度とは、なんらかの事情により当人が自分に関する重要な決定を下せないと裁判所が判断したとき、財産や法的な管理を別の人に任せるというもの。2008年からの13年間、ブリトニーの父ジェイミー・スピアーズが彼女の後見人を務めてきた。しかし数年前から、彼女は父を後見人から解任することを望み、今年6月23日にロサンゼルス郡上級裁判所で行われた審問で、初めて自らその実態を語った。そこからこの問題はさらに大きな注目を集め、ここ数ヶ月、彼女に関するさまざまなニュースが世界を駆け巡っている。今回は、そんなブリトニー・スピアーズを取り巻く現在の状況をまとめて紹介していこう。
・ブリトニー・スピアーズが後見人制度下に置かれるまで
1998年、当時16歳だったブリトニーは『ベイビー・ワン・モア・タイム』でデビューした。この曲は全世界で915万枚の売り上げを記録。その後も『ウップス!…アイ・ディド・イット・アゲイン』(2000年)や『トキシック』(2004年)など、次々とヒットを飛ばし、またたく間にポップ界のスターになる。しかしその私生活は波乱万丈で、1999年頃から交際していたジャスティン・ティンバーレイクとは2002年に破局。2004年には酔った勢いで幼なじみとラスベガスで結婚し、すぐに婚姻無効を申請するという騒動を起こした。その直後、ダンサーのケヴィン・フェダーラインと結婚し2児の母となるが、2006年に離婚。当初は共同親権を保有していたものの、2007年ごろから彼女の“奇行”が目立つようになり、親権を剥奪されてしまう。今のようにメンタルヘルスケアの重要性が浸透していなかった2000年代、精神的に不安定になっていたブリトニーは、マスコミの格好の標的となってしまった。2008年初頭、彼女は「自身もしくは他の人たちに危険を及ぼす可能性がある」としてUCLA病院の精神病棟に入院。そして退院時、父ジェイミーがブリトニーの後見人となる。
・審問で語られた後見人制度の実態
2008年9月にはMTV Video Music Awardで3冠を達成し、シングル『ウーマナイザー』も大ヒットするなど、ブリトニーは完全復帰を遂げたと思われた。その後もラスベガスでの定期公演やワールドツアーも実施し、成功を収めている。しかしその一部は、後見人制度のもとで強制されたものであったことが6月の審問で彼女自身の口から語られた。そのほかにも、彼女はこの“虐待に近い”後見人制度のもとで、プライバシーもなく、強制的に働かされ、自らの人生を他人にコントロールされた状態であることを証言している。その1つが避妊リングの着用だ。彼女は結婚や出産をすることを許されず、リングを外すために病院に行くこともできないという。女性が自分の身体に関する決定権を持つことは、近年活発になっている議論の1つだ。彼女のこの状況は、多くの証言のなかでも特に世間の注目を集めた。ブリトニーはこの審問で、彼女が正気であることを認め、公の場で語る機会を与えてくれるよう嘆願している。そして「自分からなにも語らずに、彼らが私にしたことを世間に知らせたくありません」と付け加えた。
・父ジェイミーが後見人を辞任へ、そして恋人との婚約
この審問を受けて、彼女の父ジェイミーは9月初頭に後見人を辞任する嘆願書を裁判所に提出した。彼の代理人が書いたその嘆願書には、「ミズ・スピアーズが後見人制度を終わらせ、自分の人生に対処できると信じているなら、ミスター・スピアーズ自身も彼女にそのチャンスが与えられるべきだと考えています」と書かれている。しかし同時に、彼はブリトニーに裁判費用を含む200万ドル(約2億円)を要求しているとも報じられた。こうして後見人制度が終わる見通しが立ったためか、ブリトニーは9月13日に自身のInstagramで、5年前から交際していたダンサーのサム・アスガリと婚約したことを発表。左手薬指に4カラットのダイアモンドが光るエンゲージリングを着け、しあわせそうな動画を投稿している。
先述した『Framing Britney Spears(原題)』では、ファンの間で巻き起こっている「#FreeBritney(ブリトニーに自由を)」ムーブメントから、メンタルヘルスへの偏見や女性蔑視という観点でブリトニーの後見人制度について切り取り、そのショッキングな内容が注目を集めた。一方で、Netflixの『ブリトニー対スピアーズ -後見人裁判の行方-』では、ブリトニーを取り巻く普通ではない後見人制度を中心に、彼女の軌跡を描くという。配信開始日の翌日である9月29日には、2度目の審問が予定されている。ドキュメンタリーの内容とともに、そちらの動向も見守りたい。
瀧川かおり
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