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9/11(土) 11:55配信
週刊SPA!
(日刊SPA!)
―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―
コロナで自粛が求められたとはいえ、長い夏休みも終わって子どもたちは新学期がスタート。子どもを持つ親にとって、この時期一番心配されるのは新学期を迎えた子どもたちの心ケアだ。著書『僕が親ならこう育てるね』で初めて子育て&教育論をまとめた、ひろゆき氏に夏休み明けの子どもの心の異変との向き合い方を聞いた。
⇒【写真】ひろゆき氏
子どものメンタルが不安定になりやすい9月
夏休みが明けて新学期が始まるこの時期は、子どものメンタルが不安定になることが多いと言われています。
厚生労働省の統計にある小中高生の月別自殺者数も’19年は9月がピークで、内閣府の出している『自殺対策白書』(’15年版)でも、長期の休み明けは「大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすい」と書かれています。
’20年は新型コロナの影響で生活環境が変わり、8月の自殺者数が倍増したわけで、環境の変化が子どもたちの心に不調をもたらすことはデータ的に事実なのです。
夏休み明けの子どもの心の異変は、気づけなくて当たり前
だから、この時期になると「親に伝えられない子どもの心の異変に気がつく方法は?」とか「子どもの夏休み明けに注意すべきことは?」といった記事がよく出てきますが、そんなに簡単に察知できる方法はありません。
親は「家族なのだから、子どもと意思疎通できる」と考えがちですが、そもそも親子といっても遺伝子が約50%同一な生物というだけ。別の生き物であることを理解しないといけません。
そう考えると、異変に気づくには関係性を構築するしかなく、心の異変に気づけない親が他人から聞いたテクニックを使っても、異変の原因を取り除ける可能性は低いと思うのです。
子どもと一緒にいる時間を長くする
だからこそ、重要になってくるのが、一緒にいる時間。日常的に会話をすれば子どものことが見えてくるし、一緒に買い物や料理をしたりとコミュニケーションをとっていると、食べる量が少ないとか些細な異変に気づくものです。
そういう時間を作っていくと、ひょんなことから心の変化の理由を子どものほうから話してくれることもあったりします。
ただ、子どもも別の人間ですから、一朝一夕に関係性をつくることはできません。だからこそ、「子どもとコミュニケーションをとる時間を多く確保し続ける必要がある」という事実を認識して、そのための行動をしなければいけないのではないか、と。
子どもも納得する形でアドバイスするためには?
共働きやシングルであることが理由で子どもとコミュニケーションをとる時間が少ない人もいると思います。
僕が住んでいるフランスも共働きが浸透していますが、どちらかの親が子どもと一緒に過ごすという文化が根付いていて、たとえ離婚しても共同親権を持つなど子どもとのコミュニケーションがとりやすい環境にあります。
そういう時間と環境こそが大切で、もし「学校へ行きたくない」という心の異変が起きても、原因を知ることができると思いますし、子どもが納得できる形で、親がアドバイスできると思うのです。
「忙しい」と言い訳する前にやるべきこと
何かテクニックがないかと思って探している人は、まず「忙しい」や「生活が」を言い訳にして子どもと接する時間をないがしろにしないことが大切です。
できていると親が思っているだけの可能性もあります。
そうしている間に、何かが起きてしまうターンは多いですし、それが取り返しのつかない状況になることもあったりしますから。
―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。『僕が親ならこう育てるね』という初の子育て論本が発売。著者印税は児童養護施設へのパソコン寄贈に充てられる
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