6月8日に共同親権制度に反対する党の公式見解を赤旗紙に掲載した日本共産党が、単独親権制度の違憲性を問う訴訟を起こした市民団体「共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会」(以下「進める会」)が6月27日に申し入れた公開での意見公開を拒否した。回答は6月13日付で、進める会の担当者の宗像充さん個人宛にメールでなされ、公式見解の名義の日本共産党の「ジェンダー平等委員会」から。内容には以下のように書かれてあった。
「公開で意見交換を、ということですが、こちらの意見は、6月8日に発表した「見解」に尽きております。そもそも大前提として、「見解」は、離婚後共同親権が良いと考える方々とも一致できる内容だと思っております。
失礼ながら、ブログ記事を拝見する限り、現時点では、私どもとの建設的な意見交換は難しいのではないかと思いますので、大変申し訳ありませんが、公開での意見交換は遠慮させていただきたいと思います。」
なお、進める会では、宗像さんから6月23日に、宗像さん個人と面識のある共産党国会議員あてにメールで面談のお願いをしていたが返事がなかった。また、宗像さんは、赤旗紙で共同親権の反対キャンペーン記事を書いた手島陽子記者に電話して、取材してもらうよう約束をしたが、やはり面談を拒否されていたという。ところが、日本共産党委員長の志位和夫氏宛に6月27日付で面談の申し入れをした直後に、国会議員事務所から、ジェンダー平等委員会から回答をする旨のメールが届いている。
ライターの宗像さんは先の東京都議選の期間中、共産党議員の落選を呼びかける連載記事を個人ブログで続けていたが、回答は以下のように書き出されていた。
「要望書と、宗像様のホームページへの投稿「ジェンダー不平等政党、日本共産党 都議選候補者を落選させよう!」(1)~(5)を読ませていただきましたので、宗像様のこの問題へのご主張、「見解」へのご批判は、だいたい理解したつもりです。」
これに対して宗像さんは「要望はぼく個人のものではなく進める会からのもの」と強調してこう嘆いた。
「共産党の『見解』が、離婚後共同親権が良いと考える方々とも一致できる内容だというなら面談するはずですが、話し合いは拒否する。男性や親権のないぼくたちを見下してるんでしょうね。別居親は制度の被害者ですが子育てへの権利主張は個人の問題として片付ける。これってジェンダー平等なんでしょうか。赤旗紙をとっていただけにがっかりしました」
進める会からの要望書の本文の末尾にはこう問いかけられていた。「貴党や赤旗紙は、私たちの訴訟が負ければ喜びますか」。(2021.7.15)