この家族は「シングルマザーと子ども」、そして「他人」の3人。漫画が伝えてくれること。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e4690dfa13a1765456cd353821ef3d543509c333

7/5(月) 17:06配信

BuzzFeed Japan

漫画でわかるLGBTQ+「パレットーク」

「私と彼女の子育て。でも、法律上は他人。」と投稿された漫画が話題です。ウェブメディア「パレットーク」さん(palettalk_)が Instagramに投稿したところ、1万を超える「いいね」が集まっています。リプライ欄では、「難しい問題ですね」「パートナー申請ってあるけど子供ができても、家族じゃないって辛いね」など様々な意見が寄せられています。【BuzzFeed Japan/小林 千夏】

【写真】ダウン症のあるモデル
BuzzFeedは投稿者のパレットークさん(palettalk_)にお話を聞きました。

漫画でわかるLGBTQ+「パレットーク」

パレットークさんは「らしく生きるを、もっと選びやすく」をテーマに、様々なセクシュアリティやジェンダーについてのリアルな体験談をマンガで届けているウェブメディアです。

普段からセクシュアルマイノリティの方々が抱える悩みや体験談を漫画にしています。

2018年から始めて以来、200以上もの漫画を届け、書籍にもまとめています。

漫画でわかるLGBTQ+「パレットーク」

今回、パレットークさんが漫画にしたのは、子育て中の同性カップルのお話。実際のインタビューを元に描いたそうです。

同性カップルがどんな大きな問題に直面しているのかを多くの人に伝えたいと考え、制作したといいます。

「同性婚や同性カップルの権利についての発信は増えてきたものの、子育てをしている当事者の声はまだまだ世間に知られていません。

そのため、同性婚が実現していないことによってどんな困難があるのか想像しづらい人も多いと思います」

「当事者の若者にとっても、『自分が家族や子どもを持つ』という人生の選択肢を想像するのが難しい状況があります」

「実際には多くの当事者が、法律の壁はありつつも、家族を築いているということを伝えたいという思いもありました」
「気持ちの問題」ではない

漫画でわかるLGBTQ+「パレットーク」

漫画では、3人が法律上、「シングルマザーと子ども」、そして「他人」となってしまう現状だけでなく、万が一のことがあった場合に備えて「他人」である自分が家族の一員だと証明できるように努める姿が描かれます。

パレットークさんは「『愛し合っていれば結婚しようがしまいが関係ない』という声がまだまだ多く聞かれます」と指摘したうえで、言います。

「同性婚の実現は、権利の問題であり尊厳の問題でもある、ということをあらためて伝えたいと思います」

今回の反響について、こう受け止めています。

「異性愛者であれば結婚することも、共同親権を持つことも、そして離婚することも選択できます。異性愛者であれば当たり前に選べることを、同性カップルであるために選べない現状に対して、疑問や怒りを抱く人が増えてきていると感じます」

「当事者ではない人からも多くの共感や変化を求める声が聞こえたのはとてもいい変化の兆しではないでしょうか」

パレットークさんは、LGBTQ+の当事者だけでなく、当事者ではない人たちも積極的に声を上げてもらいたいと願います。

「『同性婚に賛成か反対か』と質問されれば、賛成と答える人が約8割であるというデータもあります。その中でも積極的に声を上げる人が増えていくことが重要だと思っています」

「個人の属性によって差別されない社会を目指すということは、『今は無関係だ』と感じている人たちにとっても生きやすい社会につながると知ってもらいたいです」

「そのうえで、同じ社会に生きる誰かが苦しい思いをしているときに、その現状を肯定することが許されるのか、ということも一緒に考えてほしいと思います」

3年前