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ジェンダー不平等政党、日本共産党 都議選候補者を落選させよう!
日本共産党はジェンダー不平等な単独親権の強制に賛成
日本共産党は、6月8日、「『離婚後共同親権』の拙速導入ではなく、『親権』そのものを見直す民法改正を」と題する見解(以下「見解」)をジェンダー平等委員会名義で公表し、党機関紙の新聞赤旗に掲載した。
ぼくは現在東京地方裁判所に継続中の、単独親権制度の違憲性を問う共同親権訴訟の原告だ。ぼくたちが訴訟を提起してから、「共同親権」という言葉が一般にも知られるようになった。また昨年には、EU議会が、「実子誘拐」を放置する日本の家族法制度について非難する請願を採択していて、メディアも共同親権について報道する際、「先進国の中では唯一の単独親権制度」という言葉で、婚姻外の単独親権制度が日本のみに残存した古い制度であるということを紹介するようにもなっている。
そして、離婚する際、親権は85%が女性が得て、裁判所で争ったところで、93%(2019年度司法統計)の割合で女性が親権者になることも報道されるようになった。これがジェンダー平等の足を引っ張る結果になっていることを、ぼくは度々指摘してきた。
一方で、日本共産党の立て看板とかを見ると、最近盛んにジェンダー平等をアピールしている。ぼくは党員ではないものの、一応赤旗は送られてくるし、共産党の国会議員に知り合いもいる。訴訟のプレスリリースは赤旗紙にも送っているので、いつ共産党が共同親権の問題に取り組んでくれるのかと思っていたけど、実際には逆だった。
同姓の強制には反対しながら単独親権の強制には賛成
これは、ジェンダー平等の観点から婚姻時の同姓の強制を批判する共産党の姿勢とは、まったく矛盾している。
実際、法律婚では別姓にできないので、事実婚を選ぼうとするモデルが、「事実婚(未婚)では共同親権をもてない」ということに気づいて、婚姻外の単独親権制度に疑問を寄せていることが最近話題になっている。
結婚するとき、96%の割合で女性が男性の姓に合わせるのをジェンダー平等の観点から批判しておきながら、男性が親権を望んでも93%の割合で司法では女性を親権者に指定するのは放置する。この現実を「母親が養育している実態を裁判所が追認しただけ」というのは、「虫がよすぎる」のを通り越して、「看板に偽りあり」「有権者を騙している」と言われても仕方ない。
ぼくは男だけど、夫婦関係でもめて親権を争っても結局「女が子育てするもの」と社会(司法)が言うなら、「だったら最初から女が子育てすればいいじゃん」と思う。共産党はどうして、婚姻中も単独親権制度で女性が子育てしたほうがいい、そのほうが子どもが混乱しないと言わないのだ。
家父長制を受け継いだ単独親権制度
戦前においては、単独親権は家父長のものだった。それが戦後、日本国憲法に明治民法を合わせる形で修正され、婚姻中にはじめて登場したのが共同親権だ。だからもともと「共同親権」は、両性の平等と個人の尊重にかなった規定で、戦後も支持されてきた。ただ当時の男女平等は、婚姻外で女性が親権をとれるようになったことで、婚姻中女性が戸籍の筆頭者になれるようになったのと同じ考え方だった。
当然ながら、婚姻中の同姓の強制も、婚姻外の単独親権制度の強制も、明治時代から受け継いだ法律婚優先主義、戸籍制度を守るための裏表の関係にあり、戦前の遺物だ。共産党は「見解」の中で、「ジェンダー平等社会をめざし、戦前の名残を一掃する民法改正に踏み出すことが必要」と述べている。だったらどうして、夫婦同姓の強制とともに、74年間変えてこなかった単独親権制度の強制について「一掃する」ことが「時期尚早」なのだ。
正直、こういう「見解」の表明は、単独親権制度の違憲性を争うぼくたちの訴訟への妨害行為だ。ただそれを置いておいても、こういう二枚舌な見解を表明して有権者を混乱させる政党が、いくら女性候補者を立てて議席を伸ばしたところで、ジェンダー平等は進むどころか後退する。
ジェンダー平等を進めたい東京都の有権者は、日本共産党には投票しないようにしよう。(つづく。宗像 充 2021.6.27)
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