単独親権殺人で女性も加害者になるという当たり前の記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab6c7b334728b102b6a6c1f62de753bd620e4583
10/17(土) 19:00配信
クーリエ・ジャポン
“手をくだした”のは17歳の少年たちだが…
Photo: Kunal Verma / EyeEm / GettyImages
7月のある朝、バロン・リー氏(48)がワシントン州ベルビューのアパートから車へと歩いていると、花火のような大きな音が聞こえた。銃を抱えた細身の少年の姿が見えたと、彼はのちに警察に話した。
2発の銃弾が彼を地面に叩きつけ、少年は倒れたリーをさらに7回撃った。幸いにも急所は外れていたため、リーは一命を取り留めたが、疑問は残る。
いったい、誰が彼を殺そうとしたのか?
検察官は、10月に入り、ついに謎が解けたとし、リーの元妻であるシェイリン・ローズ・ケリー(30)を起訴したことを発表。
警察はまた、ジョセフ・グッドとクインシー・メンデスという2人の17歳の少年を逮捕し、1万3000ドルの支払いと引き換えにリーを殺そうとした罪で起訴した。当局によると、ケリーは、彼が一命を取りとめたと聞くやいなや、すぐさま少年たちと新たな計画を開始していた。
「被害者を殺すことができなかったのは“努力不足”ではない」。検察官の覚書によると「彼は至近距離から何度も撃たれ、絶命させるために放置された」。
必ず「仕事」を完了せよ
被害者は車のディーラーで営業部長として働き、シアトルの東、約24kmに位置するベルビューの集合住宅に住んでいる。
2015年に離婚したふたりの間には、障がいを持つ6歳の息子がいる。リーが「シアトル・タイムズ」に語ったところによると、2017年までは元妻が息子の親権を持っていたが、育児放棄を理由に児童保護サービスが介入し、息子は里親に出されたと語った。
また同紙によると、その2年後、リーは少年の親権を認められ、ケリーは3月までは毎週の訪問を許可されていた。
裁判所の記録によると、7月10日、リーが車のドアの後ろで身をかがめていると、最初の2発の弾丸が彼の腕と足に命中し、彼は地面に倒れた。少年は車のドアの周りを歩き回り、何度も発砲し、リーの腕、脚、胴体、腰を合計9回貫通させ、弾丸の一部は骨を砕いた。しかし、いずれも命にかかわる傷ではなかった。
リーは警察に、自分を撃った少年を知らないと話していた。捜査官がリーに彼の死を望んでいる可能性のある人物を尋ねたところ、動機のある人物はケリー1人しか思い浮かばなかったという。彼の元妻が息子の単独親権を握れば「多額の資金」を相続することになることを、警察はすぐつきとめた。
警察によると、グッドは銃撃事件の数週間後、リーが生きていることを知らず、ケリーに金はいつ支払われるのかと尋ねたという。裁判所の記録によると、「仕事は完了していない。来月中に実行しなければいけない」とケリーはメッセージを送っていたという。
それに対して「仕事は完了したはずだ」と返答したグッドに、ケリーは「残念ながら」とリーが生きていたことを伝えた。
警察の報告書によると、10月8日にケリー、グッド、そして逃走を助けるために車を運転していたメンデスが逮捕された。メンデスは父親の所有するトラックに乗っていたとされる。
メンデスが父親から借りたトラックは、銃撃現場近くの監視カメラの映像に映っており、ナンバープレートから少年の居場所が判明した。
警察は、ケリーがどのようにしてグッドと接触し、銃撃を実行するために彼に金を支払うように手配したかを詳細に記した電話記録と電子メールも入手した。ケリーは元夫の車にGPS追跡装置を取り付け、その位置データをグッドに転送したとされている。
グッドとメンデスは殺人未遂で起訴され、グッドはまた、武器の不法所持で起訴されている。ケリーは殺人未遂及び家庭内暴力で起訴された。裁判記録では、容疑者たちに弁護人がついているかは明らかになっていない。
検察官はケリーのリーの殺害計画を現在も進行中だとし、保釈金なしでケリーを勾留するよう裁判官に求めた。
「彼女には悔恨の念はなく、被害者を殺す意図も衰えていない。釈放されれば、バロン・リーの命が危険にさらされる」
Katie Shepherd