https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20201010-00202335/
田中俊英 | 一般社団法人officeドーナツトーク代表
10/10(土) 8:40
■なぜ妻は根源的に夫を嫌悪するのか
当欄でもたびたび話題にあげておりEU議会も非難決議を下した(ついに日本も「共同親権国」になりそうだ~EU本会議決議)、離婚時の「子どもの連れ去り/拉致abduction」に至る、連れ去る側の親の心理に関して、説得力のあるブログ記事と出会ったので紹介したい。
それは、東北で法律事務所を運営するD弁護士という方がお書きになったもので、僕はお会いしたことはないものの、これまで時々そのブログを読んで勉強してきた。
D弁護士は匿名でブログを書かれており、そのブログはTwitterではよくリツイートされている。Twitter→ブログ→法律事務所サイトとたどっていくと容易に事務所名や写真付き弁護士名と出会うことができるので、ここでもイニシャルにする必要はないかもしれないが、ブログでの匿名性に敬意を払ってD氏としておく。
D弁護士が10月7日に書かれたブログ記事(暴力がなくとも妻が夫を強烈に嫌悪する理由 たとえ夫が悪くなくても妻は夫を毛嫌いする。自分が悪くなくてもできることをしていないかもしれないということ。 [家事])は、僕の長年の疑問である、
「なぜ妻は根源的に夫を嫌悪するのか」
についてある程度答えてくれている。この根強い嫌悪がベースとなって後戻りのできない離婚へとたどり着き、その手法として拉致abductionが選ばれ、離婚弁護士が暗躍し、虚偽DVが捏造される。
何よりも、「妻が夫を嫌悪する」ことが始まりにあり、僕は長年その嫌悪感のメカニズムがわかったようでわからなかった(当然「連れ去る/拉致する」夫も存在するので、ここでは多数派であろう妻の拉致について言及している)。
■妻の「自滅」と、夫のフォローのなさ
D弁護士は、離婚や拉致に至る夫への徹底的嫌悪の理由として、ブログでこう書く。
なぜ、夫に主な原因が無くても、妻は夫を毛嫌いし、夫はそれを理解できないのでしょうか。
大きくまとめると2つの理由があります。
一つ目は、妻が勝手に不安になっている。自滅している。
二つ目は、夫がやるべき対応をしていない。
ということです。
出典:暴力がなくとも妻が夫を強烈に嫌悪する理由 たとえ夫が悪くなくても妻は夫を毛嫌いする。自分が悪くなくてもできることをしていないかもしれないということ
詳しくはD弁護士の記事を直接参照いただきたいが、この、
1.妻の体調変動から来る「不安と自滅」
2.夫がそれをフォローできない
は、僕のこれまでの仕事を通した体験からも納得できる。D氏の言うように、まず妻の体調変動をもってくることは、フェミニズム的視点から、あるいは体調に極端なブレのない女性からは、「オンナの不安定な体調」という紋切り言説で女性を差別するな、または「私の体調はそれほど変調しない」等、反発があるかもしれない。
だが、現実には、D弁護士が妻たちを気遣いながらも鋭く指摘する「妻の体調変動」は確かにあると僕も実感する。それは産後鬱をはじめとしていろいろな精神障害的名称で呼ばれることもあるだろう。そうした名称の確定性には同意できないものが僕はあるものの、D弁護士が指摘するように、激しく体調や心理状態が変動する女性たちは存在する。
この体調変動は普通夫には理解されないため、妻はその不安を包み隠し、夫への不信を積み重ねる。その不信が確信に変化し、「離婚弁護士」のアドバイスを受け、「拉致」を決行し、DV支援センター等の女性支援機関は「虚偽DV」の証拠固めの補助を書類作成(「DV相談があった」という書類)というかたちで容認する。
■その「野良犬」から妻を守ってあげてほしい
D弁護士のブログ記事では、夫側の態度の硬直さも指摘している。
妻の不安定な体調変動に気遣いができない夫のあり方が、子どもの拉致という最低の行為を導くことになると、同記事では指摘されている。夫にとっては酷なことではあるが、これもまた事実だと僕は思う。
D弁護士は記事後半で、その対処方法として、夫妻が共同して「共通の敵」を明確化し、2人でその敵に立ち向かうよう推奨する。
例えば野良犬が、二人を襲ってきたら、あなたは身を挺して将来の妻を守ろうという気持ちがあったはずです。(略)二人の仲を引き裂こうとする野良犬という体調変化から、自分を犠牲にして二人を守るということです。
出典:暴力がなくとも妻が夫を強烈に嫌悪する理由 たとえ夫が悪くなくても妻は夫を毛嫌いする。自分が悪くなくてもできることをしていないかもしれないということ
共通の敵は妻の体調変化であり、それをD弁護士は「野良犬」にたとえている。日々の多忙さも夫にはあるだろうが、ぜひともその「野良犬」に立ち向かってほしい。その野良犬から妻を守ってあげてほしい、と。
D弁護士はふれてはいないものの、妻の自滅と夫の無視から残念ながら離婚に至った多くのケースに関しては、もしもそんな機会が訪れたなら、2人で語り合ってみてはどうかと僕は思う。
あるいは来年にも法制化されるかもしれない「共同親権・共同養育」の具体的運用の中で、その仲介システムとして運用される可能性のあるADR (Alternative Dispute Resolution もうひとつの紛争解決)での話し合いのなかで、過去のすれ違いのいきさつを、「野良犬から守ることができなかった」という観点から振り返ると、ADRがより円滑に進むかもしれない。