ダンの子育て日記第6回 祖母の他界

ダンさんは、共同親権ニュースドットコムに、片親親権であまり人に共有されない悩みをレポートします。その6回目です。

子どもとは月に2度会っている状況ですが、現在の社会の側の偏見の中、さまざまに親子関係で気になる点があります。今回は、ダンさんの祖母の他界に際して、子どもとの関係がどうだったのかを報告します。

 

祖母余命3ヶ月

7月中旬 連れ去り(連れ去りがなければその週末に帰省する予定で祖母も楽しみにしてました。)

7月下旬 祖母の入院している病院から余命 3ヶ月の連絡を受けました。

弁護士さんを介し子供が祖母のお見舞いができるようお願いをしましたが相手側(母親)からは連絡はありませんでした。

祖母(父親の実家)のところには子供と私の2人で毎年一度か二度帰省していました。母親は一緒に帰省することは無い為、直接は祖母と孫の仲睦まじさを知りません。

以前から子供は祖母に優しく仲良しで、帰省する度に祖母を見舞う絵を描いていました。絵の横には「おばあちゃんながいきしてね」「はやくげんきになってね」「げんきになったらあそぼうね」病床の祖母はこの絵を毎日見て会える日を楽しみにしていたそうです。

幼少の頃から子供が小学校に入学したら父親(私)が引き取り育てる話をしていました。小学校入学の時も母親の実家からはお祝いが無かったことから父親(私)が育てると確信した祖母・私の妹から、小学校入学前にランドセルは祖母、勉強机は私の妹が買い子供と電話で話をしながら祝ってくれました。

8月初旬 調停員を介し再度祖母のお見舞いについて伝えてもらい、何度かのお願いでやっとお見舞いに行ってくれることとなりました。子供、母親、母親の姉3人での面会でした。

いつもは元気な子供がおとなしく祖母をじっと見ていたそうです。子供が帰ってから毎日の様に「子供に会いたい会いたい」と言い続け、

9月2日 祖母が危篤。調停員を通じて子供の母親に連絡するも「10日前に行ったばかりだから行けません」と断りの連絡。

9月3日 翌日、祖母他界

9月4日 告別式。同様の連絡をしたが同じ答えが返ってくる。

調停員「相手方に何度もお願いしたのですが同じ答えしか返って来ず、お力になれず申し訳ありません」と気遣ってくれました。

連れ去りは母親がした事ですが、合法(連れ去り)として許されている今の制度への不満が募ります。

心が救われた調停員の一言「非人道的」

9月の調停にて、

父親側「子供に面会交流を求めます」

母親側「転校して精神的に落ち着いていないので落ち着くまで会わせることはできません」

調停員「子供は父親と幼い時より毎週2人で遊びに行き、何度も旅行にも行っています。(父親提出書類より)。何より私達は驚きました。こんなに資料を多く提出できるお父さんは今まで見たことがありません。座る席が逆ならわかります。毎週遊びに行っている親子(父子)が長い期間会えないのは子供にとってかわいそうなことです。会わせないのは子どもに対し『非人道的』です。そう母親側に話しておきました。」とおっしゃってくださいました。

裁判官主文には仮監護中「相手方(母親)は申し立て人(父親)による連れ去りの危険を危惧する」とありましたが、調停員の方々は相手方と私との何度かの調停(面談)を経て、私を信じ、翌月10月からの異例の面会交流開始をサポートしてくれたことになり、感謝しています。

裁判和解終了後に弁護士さんから言われた事があります。「あなたは調停員、裁判官に恵まれた、運が良かったんです」と。通り一遍の仮監護者指定で子供の運命を決めてしまって良いのか?運が悪ければいつまでも会えない、会う頻度も少なくなる、本当にそれで良いのか?という思いをぬぐえません。

率直に、今の法律に疑問を感じました。

「法律には壁がある。」

今の日本の法律では連れ去られたが最後、連れ去った親を裁くことはできず、連れ去られた子どもを取り返すことすら不可能に近い。子どもに会う時も「相手方(連れ去った側)を出来るだけ刺激しない様にしないと、会うことすらできませんよ。」と、弁護士に警鐘を鳴らされる。相手の顔色を伺いながら調停で振舞わないと子供に合うことさえできなくなってしまう。

上述の調停員の「非人道的」発言は、父と子の親子愛を認めてくれたが故のものであり、また、祖母が危篤、祖母の葬儀という事態になっても、動かない母親、どうすることもできない現状に対し、今の法の下では何もできない、申し訳ないという気持ちからの発言とも取れました。

連れ去りは子供にとって不幸の道標です。両親、裁判所が本気で子供の事を思うならば、現実を認識し、共同養育・共同親権を考えなければ、生まれてきた子供たちが一番の被害者となってしまいます。子供の幸せを願い、どうしたら良いのか真剣に議論してもらいたいです。

連れ去りは正当?『NO』と言える時代が早く来ることを願います。

4年前