一人息子のAくんは片岡愛之助によく似ているという
片岡愛之助(48才)には、2011年に「隠し子」と報じられた一人息子がいる。愛之助は当時、記者会見で「認知していない」と答えていた。もう交わることがないように思えた親子は、新たな関係を築いていた──。
因縁の相手を見つけるや、顔を接近させて熱烈なウインクをお見舞いする。
「あなたが担当者だなんてねぇ。おかげで、ファイト、まん・まん・よ!」
8月23日、堺雅人(46才)主演のドラマ『半沢直樹』(TBS系)の第6話で1人の男が登場すると、SNS上は彼に関する投稿でお祭り騒ぎとなった。主人公・半沢に敵対心を持つ金融庁の黒崎駿一検査官を演じる、片岡愛之助だ。喜怒哀楽の激しい表情やオネエ言葉がハマり役だと評判だが、歌舞伎役者の枠を超えた活躍を、“彼”はどんな思いで見ているのだろうか。 8月中旬、関西地方の閑静な住宅街で、Tシャツに短パン姿の青年が丁寧に自宅の玄関先を掃除していた。短髪が少し伸びた黒髪に、ハッキリした濃い眉毛。凜々しい顔立ちは、父親譲りであることがよくわかる。この青年は、愛之助の一人息子・Aくんだ。背格好も父親そっくりで、現在は大学生になっている。
「Aくんは、愛之助さんと大阪・北新地のラウンジで働いていたB子さんとの間に、2000年に誕生した子供です。当時、愛之助さんはAくんの存在を公表していませんでした。2011年に“隠し子”として報道されると、愛之助さんはすぐに会見を開いて、“女性とは入籍しておらず、子供の認知もしていない”が、“(認知は)子供が大きくなったときに、本人の意見を聞いて決める”と記者の質問に答えていました。その後2016年4月に『週刊文春』で愛之助さんとB子さんがAくんの“DNA鑑定を巡ってもめている”との記事が出たため、愛之助さんとAくんは没交渉だとみられていました」(芸能関係者)
2016年といえば、3月に愛之助が藤原紀香(49才)と結婚した年でもある。あれから4年。親子関係に大きな変化が生まれていた。Aくんの親族が明かす。
「愛之助さんには、ちょっとほったらかしにされた時期があったり、いろいろとありましたけどね。でもちゃんとしてもらっています。もちろん、認知もされていてね。いまもAは愛之助さんと2人で会っているんですよ。愛之助さんは“(Aが)素直に育ってくれていてうれしい”って言っています」
直撃に愛之助は「フフフフフ…」
愛之助は、大阪府堺市にあった町工場の長男として生まれた。幼い頃から習い事感覚で芸能プロダクションの養成所に通い始め、9才で才能を見出されると、故・十三代目片岡仁左衛門(享年90)の部屋子になった。部屋子とは、実子と同じように楽屋で芸や礼儀作法を学べる特別な弟子のこと。
しかし、歌舞伎は何よりも血筋を大切にする世界。部屋子として英才教育を施されたとはいえ、愛之助に与えられるのはせりふがほとんどない役ばかりだった。そんな愛之助に転機が訪れる。19才のときに仁左衛門の息子、二代目片岡秀太郎(78才)の養子となり「愛之助」を襲名すると、次第に大きな役が回ってくるようになる。B子さんと出会ったのは、ちょうどその頃だった。
「B子さんの妊娠がわかったとき、愛之助さんは“まだ修業中の身だから”と結婚に踏み切れなかった。それでも2人は話し合いを重ね、産むことを決めたといいます。愛之助さんは大阪府内にマンションを買って、B子さんとAくんと一緒に暮らしていた。でもAくんが4才くらいのときに、愛之助さんが出て行ってしまったそうです」(B子さんの知人) B子さんは夜間学校に通って資格を取り、Aくんを育ててきた。
「大阪のマンションでは、突然、愛之助さんの姿が見えなくなったものだから、近所の人も不思議がっていたそうです。そんな人目を避けて、B子さんとAくんは引っ越しました。B子さんのお母さんと3人で暮らしていたようですよ。B子さんは、その後Aくんを育て大学にまで通わせています」(前出・B子さんの知人)
愛之助がマンションを出て以降、Aくんが高校生になるまで会うことはなかったという。だが、あるときを境に親子は急接近する。愛之助の知人が、当時を振り返る。 「2016年頃に、愛之助さんが突然“息子に会いに行く”と言い出したんです。それまでは息子さんの話を口にすることさえなかったので、びっくりしました。どこかうれしそうだったのが、印象に残っています。
他人には言っていないだけで、愛之助さんはB子さんともAくんともずっと交流を続けていたようなんです。もちろん、養育費も支払っていると聞いています。
Aくんが生まれたときは修業中だったけど、この頃には押しも押されもせぬスター役者になっていましたからね。歌舞伎界でのポジションも確立し、Aくんに堂々と会える余裕が出てきたのかなと感じました。紀香さんとの結婚を発表した後だったから、親として自らの言葉で説明したいという気持ちもあったのかもしれません」
その後、Aくんと会う頻度は増えていったという。前出の親族が言う。
「Aが将来について、愛之助さんに相談することもあるようです。最近、Aは笑いながらやけど、“歌舞伎役者は嫌やぁ”と言うとります」
Aくんがこう口にするのは、愛之助との会話の中で、歌舞伎が話題にのぼることがあるからなのかもしれないが、そこには、愛之助の親心が見え隠れする。 「愛之助さんは部屋子出身という事情はあるけれど、歌舞伎界の厳しさを人一倍知っています。だからか、“子供が男の子だったら、歌舞伎役者が宿命づけられてしまう。それが不憫だ”と、口にしていたこともありました。
もともと、B子さんはAくんに歌舞伎役者になってほしい気持ちもあったし、Aくんはそんな母親の思いも知っている。当然、歌舞伎界を意識したこともあるでしょう。でも愛之助さんはAくんに、“歌舞伎役者にならなくていい”“自分の思う道を行ってほしい”と話しているようです」(前出・愛之助の知人)
愛之助は2018年に、自分と同じ一般家庭出身の片岡愛三朗(当時15才)を部屋子として弟子にとり、一門の次世代を担う後継者としての育成を始めている。 『八月花形歌舞伎』出演後の愛之助を、歌舞伎座で直撃した。
Aくんの「認知」や「現在の関係」について口を開くことはなかったが、Aくんが冗談交じりに「歌舞伎役者にはなりたくない」と周囲に話していることを伝えると、「フフフフフ」と笑みを浮かべて、優しい父親の表情になったのだった。 新たな親子関係が築かれていた。 ※女性セブン2020年9月10日号