2年前の夏、いつもように子供たち3人を連れて日本へ向かうことに。
いつものようにパリの空港のパスポートコントロールへ4人で。
何事もなくスムーズにいくはずが・・・
「マダム、子供たちの父親からの渡航許可証明書はありますか?」
「え???そんなもの持ってないです」
「子供たちの父親は日本に行くことを知っていますか?」
「勿論です。どうしてですか?」
「許可証がないとここから出られません」
手が震えました。一体何が起きているの?彼にすぐに電話しなきゃとか頭の中はグルグル・・。
最終的には私の滞在許可証と帰りのチケットの提示で無事に通過。
ふとパリの日本大使館で見かけた”子供の連れ去り”というショッキングなタイトルのパンフレットやポスターのことを思い出しました。
後になって気づきましたが、この警察官はずっと”あなたのご主人”ではなく”子供たちの父親”という表現をしていました。
数日前、パリの仲良しライングループにメッセージが。
「パパ抜きで日本に帰るときにはautorisation de sortie du territoire(離仏の際の許可証)を準備していってくださいね。
コントロールで止められる可能性が大きいそうです」と。
この許可証は基本的には保護者が一緒の場合には必要ないのです。
例えば、最近私がこの書類を用意したのは、長女と長男がそれぞれ学校のカリキュラムでフランスを離れる際、学校に提出をしました。
それが・・・今は、母親が一緒でも・・・父親(フランス人)が離仏を了解していることを証明しなければならないということです。
もうずいぶん長いこと、日本人の母親による子供の連れ去りということが問題なっています。
連れ去りって表現もどうなのだろう?と思いますが、とにかく、こうして母親だけが子どもを連れての出国が厳しくなっている状況をみれば、深刻な問題になっているのだと分かります。
ほかの国のママに関しては正直、わかりません。
国際結婚により多くの日本人女性が海外に住んでいます。
残念ながら、結婚生活が破たんすることはあります。
フランスでは離婚すると、一般的に子供の親権は半々となります。
私の周りの離婚した夫妻は100%半々となっています。
1週間おきに子供が「今週はパパのところ」「今週はママのところ」
ヴァカンスも半分はパパと半分はママと一緒に出掛けたりしています。
つまりはそれがフランス人にとっては「離婚したあとの自分たちの在り方」なわけです。(勿論、一般論ですから違う人たちもいます)
離婚するつもりで結婚するひとはいないはずです。
だからいざ、目の前に親権の問題が出てきたときに、その違いの大きさにお互いが戸惑い、明確にできないままに”連れ去り”という行動になってしまうのかもしれません。
私が結婚した当初、彼の友人の何人かは彼に言ったそうです。「日本人女性との結婚は気を付けたほうが良いよ。離婚した時に・・・子供を連れて日本に帰ってしまう可能性が高いから。
そうなると2度と会えないらしい・・・」
こんなことを言われたことがあったよって彼が私に話したのは2年前。空港での出来事を伝えたときでした。
つまりおよそ20年前にもすでに問題になっていたのですね。
私が結婚した時も子供が母親とともに日本に行ってしまい、行方がわからず会えないまま・・あまりの悲しさと寂しさで自ら命を絶ったフランス人男性のことがニュースになっていました。
フランスと日本では離婚後の親権の在り方が全く違います。
日本人の母親にしてみたら、子どもを連れて日本に帰る”そうせざるを得ない”状況だったのかもしれないです。
私たちには夫婦のことは分かりません。
子供たちとこのことについて話をしました。
息子は随分前にドキュメンタリーを見ていて、確かにその時にもいろいろな話をしました。
息子曰く、日本の法は全く違うから、ドキュメンタリーで出ていたフランス人パパも長く子供と会えないまま、日本では何もサポートしてもらえず、悲しんでした・・・と。
日本人ママが日本に子どもを連れて帰ってしまうことばかりが大きく取り上げられていますが、逆に子供のためにここに残ることを決めたにもかかわらず、あまりにも大変で・・という日本人女性もいます。
あまりにも深く、難しい問題です。
辻仁成さんがコラムでも書かれています。
この夏はちゃんと書類を準備して空港に向かいます。
息子が学校でパンを作りました!!
家に持って帰ってきて・・オーブンで焼いたら
中々いい感じ!!
ちょっとおしゃべりに夢中になって、時間が過ぎてしまったので固めになってしまいましたが、焼きたてのパンは美味しい!!!
今度から時々、家でも作ってみようか?って盛り上がりました。
パリはパンが美味しいから、あまり自宅で焼くことは考えたことがなかったのですが・・。
それでは、また。