https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20200708-00187192/
■「共同親権沼」
たまたま「共同親権」を当欄で考察し、その記事に対して「別居親」(離婚したあと親権を剥奪され子どもと別居する親たち)の方々から予想外の「感謝」(具体的にはTwitter上での「ありがとうございます」や「いいね」)をいただいたことから、僕はある意味「共同親権沼」にどっぷりつかっている。
この沼は最初想像したよりもはるかに深く、日本社会の課題に光を当てることのできる、多くの問題系を内包している。
日本社会の課題とは、「単独親権」のもとに日常的に起こる、虚偽DVや「子ども拉致」の問題だ。
その一つひとつに対して、当欄ではこれまでこまめに考察してきた。
「虚偽DV」であれば、この虚偽DVは、「昭和フェミニズム」から生まれたや「DV冤罪」~昭和フェミニズムの罪記事で考察した。
「子ども拉致」であれば、もうひとつの「拉致被害者家族」~離婚時のabduction記事等で考察した。
単独親権そのものの問題については、崩壊した養育費と面会交流が、「単独親権離婚システム」終了の証しで考察している。
ここでの、面会交流がなく養育費のみ求められる問題については、別れた親は「人間ATM」ではない~養育費と親子交流で考察している。
この「面会交流」については、ペアレンティングタイムと言い直し、アタッチメントが「ペアレンティング・タイム」をいざなう~離婚後の「面会交流」ではなくで考察した。
■離婚した母はイエから追い出されることが普通だった
これらの問題を支える単独親権や「昭和フェミニズム」すべてが詰まった我が国の離婚システム全体については、堕落した「離婚システム」などで考察した。
こう振り返ると、現代日本の離婚に伴う諸問題をだいたい検討してきたようだ。
また、こうして綿密に考察すると、離婚の中で1~2割ほどを占めるといわれる(嘉田由紀子参院議員)DV案件を除くと(これは警察も入ったDV対応をしていくことになる)、8割程度を占める多数派の事例のなかに「一般性」を見出すこともできる。
ただ、一人で考えてもなかなか突破口は見つからないので、知り合いのジャーナリストや共同親権派の弁護士の方の協力も得て、その「一般性」について考えた。
その結果、現代日本の離婚問題に伴う諸課題について、以下のような答えを導き出すことができた。
1. 「イエ(家父長制)回帰」を忌避するための母権優先
2.思想としての「昭和フェミニズム」
3.上の組織化(日弁連中心)
4.養育費の確保という集金システムの確立
1.はわかりにくいかもしれない。これから当欄で明らかにしていきたいが、実は日本の弁護士や法曹界はこの「家父長制への回帰」を最も恐れているという。
日本の単独親権は、現在は母親がその親権を取ることがほとんどだが、戦後の一時期までは、日本独自の「イエ」が親権を取り(形式的には父親)、離婚した母はイエから追い出されることが普通だった。
現在の母親中心の単独親権は、その追い出された母たちの「人権」を救済することに力点を置いているのだそうだ。
■〈母権優先-昭和フェミニズム-単独親権司法〉権力
この、母/オンナを守る、という点で、「昭和フェミニズム」は絶大な力を果たした。その影響力については、冒頭のいくつかの引用記事を参照にしてほしい(特に虚偽DVは、「昭和フェミニズム」から生まれた)。
この、「母権優先」を守ってきたのがこの30~40年の法曹界だったという。母権優先から自然と導かれる「単独親権」を、一部の弁護士だけではなく、日弁連の中心にいる弁護士たちも信奉しているそうだ。
これは驚きである。
そして、4.の「集金システム」については、この記事増えすぎた弁護士~離婚時の「子ども拉致」の源泉?に書いた。ある意味、腐敗している。
これら、現代日本社会における錯綜する社会システムの混合に関して、現代権力論を創設した哲学者のM.フーコーであれば、
〈母権優先-昭和フェミニズム-単独親権司法〉権力
とでも呼ぶだろう。