新型コロナウイルスの感染拡大で、別居する親子の面会交流や夫婦の離婚調停に関わる家庭裁判所の期日調整が遅れていると、当事者団体から不満の声が上がっている。 団体が6月上旬に実施したインターネット上のアンケートでは、次回期日が未定と答えた割合が半数近くに上ったといい、「家裁の業務縮小が続き、司法崩壊している」と訴えている。 離婚や別居などで、子どもと離れて暮らす男女が結成した「共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会」によると、家裁調停中の人を対象に実施したアンケートで、48%が「次回期日の調整が始まっていない」と回答。期日が指定されたものの、1カ月以上先だった人が16%だった。 特に大都市圏の家裁で期日の調整が始まっていないケースが目立ち、緊急事態宣言が5月下旬まで続いた東京や横浜、さいたま、札幌などで多くなっているという。 現在困っていることを複数回答で尋ねたところ、「面会交流が実施されない」が76%で最多で、「子どもの安否が確認できない」(52%)、「相手方と連絡を取れない」(34%)と続いた。 61%は「子どもとの面会交流が3カ月以上できていない」とし、同会は「親子断絶が進んでいる」と指摘している。 アンケートは5~9日に実施。90人から回答を得た。東京家裁によると、緊急事態宣言が発令されて以降、順次期日を取り消していたが、1日から調整を再開。徐々に予定が入ると見込んでいるという。
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