プレスリリース配信元:一般社団法人りむすび
ー面会交流中に何をして過ごしている?元夫への要望は?二極化する面会交流へのモチベーションなどシングルマザーの生の声を集約ー
別居離婚後、両親で子育てをする”共同養育”実践に向けたサポートを行う一般社団法人りむすび(所在地:東京都世田谷区) では、離れて暮らす親と子どもが交流をする”面会交流”を実施しているシングルマザーを対象に、面会交流に関する意識調査アンケートを実施しました。
1.調査方法
実施期間:2020年3月27日~2020年5月1日
実施方法:日本シングルマザー支援協会研究所の調査協力によるwebアンケート
対象者 :日本全国の面会交流を実施している同居母親105名
アンケート調査結果はこちらです。
https://prtimes.jp/a/?f=d46980-20200508-3683.pdf
2.アンケート内容
【質問1】面会交流の頻度はどのくらいですか。
<その他>
・月に3~4回程度
・子どもが父親と自由にきめる
・写真を送るのみの交流
・夏季、冬季休暇とゴールデンウィーク
・相手が応じた時 など
【質問2】元パートナーとのやりとりはどのようにしていますか。
<その他>
・基本的には子どもが自由にやりとりし必要に応じて親同士でやりとり など
【質問3】面会交流をどんな気持ちで実施していますか。
<その他>
・子どものために仕方ない思いから自然体に変化
・子どもの未来のため
・父親の自覚を継続させるため
・自分の感情に関係ない
・子どものため など
【質問4】面会交流のメリットは主にどんなことだと思いますか。
<その他>
・私と過ごす時と違う時間を子どもたちが過ごせる
・父親の存在を忘れない
・子どもと父親の交流と、絆作り など
【質問5】面会交流の間、あなたは主にどんなことをして過ごしていますか。
<その他>
・映画や買い物など一人時間を満喫
・ヘアサロン、日用品の買い物などの用事
・一人ランチ、お茶
・新しいパートナーとデート
・遠くから様子見ながらお茶している
・第三者機関の指定場所で待機 など
【質問6】面会交流において元パートナーへ主にどんな要望がありますか。
<その他>
・限られた時間の中で父と子の楽しい時間を過ごしてほしい
・子どもに平等に接してほしい、面会時間目いっぱい子どもと楽しんで過ごしてほしい
・楽しく会ってもらえるのは良いけれど、こちらの生活に入り込まないでほしい
・いつも受け身で何も決めない。少しは自分で考えてほしい
・自分の要望や都合を押し付けないでほしい
・子どもに母親の悪口を云わないでほしい
・子供の体調などを思いやってほしい
・事務的なことや金銭的なことは子どもを通さずにこちらに聞いてほしい
・送迎など協力してほしい
・時間を守ってほしい
・余計な教育をしないでほしい など
【質問7】別れた後も両親で子育てする「共同養育」をどのように思いますか。
<主な賛成意見>
・どのような形の親であっても、こどもにとっては親であることは変わりない。子供と関わることでお互い成長し、子供も愛情を感じ満たされる、親も必要とされて満たされていく。絶対に共同養育はマストだと思う。
・とても良いことだと思う。義務感であってもならないし、会うことに対して子供たちに気を使わせてもならないと感じている。共に力を合わせる意識が大切だと思います。
・片親だとどうしても偏ってしまったり詰まってしまうと思う。親として子育てに助けてほしく関わってほしいと思う。
・2人で作って生まれた子どもたちを共同で養育するという考えはいいと思う。離れて暮らしたら、思いやり愛情も薄れてしまうというのは変だと思う。
・子供にとって母親父親は変わらないはず。だけど父親として責任を果たせない人もいる。なので、共同養育が出来る事は幸せだと思う。
・子供に対して虐待の恐れがなく子供自身も会いたければ賛成です。母の余暇時間の充実も大事にしたいとの思いもあります。
<主な慎重・反対意見>
・それぞれの家庭で選べるようになるべき。
・円満離婚を選んだ両者なら良いと思うが、そうでない場合精神的負担が大きすぎる
・必ずしも皆に必要だとは思えません。安心して預けられるように第三者の介入やサポートが欲しいです。
・離婚の経緯もそれぞれなので意見するのが難しいですが、私は無理があると思います。それが出来るのなら離婚していません。子ども達も「離婚しなければ良かったのに」と思うでしょう。
・不安と恐怖を感じる。共同で物事が進められない関係になったから離婚をした。その相手と、共同養育、、、離婚と いう選択肢を選び、自立した生活・安心して過ごせる環境を得たのにまた相手に 振り回されることになる。
・いらないと思います。特にDVやモラハラで離婚した場合は共同養育なんてありえないです。
・養育方針に違いがあると子供が混乱する。または、どちらかではワガママを言ったり乱暴になるなど、よくない面が懸念される。
3.まとめ
現在、日本において面会交流を実施している親子は約3割(厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」)であり、今回この3割に該当する面会交流を実施しているシングルマザーを対象にアンケート調査を行いました。
【質問3】”面会交流をどんな気持ちで実施していますか”では、47%が自然体・前向き/46%が義務感・嫌々、【質問7】”別れた後も両親で子育てする共同養育をどのように思いますか”では、52%が賛成/48%が慎重・反対であり、面会交流を実施しているなかでも、前向きな層と後ろ向きな層がほぼ同数で二極化していることがわかりました。
一方で、【質問4】”面会交流のメリットは主にどんなことだと思いますか”では、59%が子どもが両親から愛情を受けて育つことにメリットを感じ、【質問5】”面会交流の間、あなたは主にどんなことをして過ごしていますか”では、自分の時間を満喫しているという意見も伺えました。
各家庭での事情はそれぞれではありますが、離婚して夫婦関係が解消しても親子関係は変わりません。離婚家庭の子どもが両親から愛情を受け続け育つために、元夫婦の葛藤を下げ親同士の関係再構築に向けた学びや、必要の応じて第三者による心のサポートも必要であると考えられます。
また、新型コロナウイルスの影響で今年3月以降に4割以上が面会交流を実施されていない報道がありましたが、直接会えない期間もオンラインを活用する等親子交流を継続することが必要だと考えます。
<参考>りむすびが提供するzoomオンライン面会交流
https://www.rimusubi.com/online
4.社会的背景
「ひとり親家庭における社会的課題」
別居・離婚後も子どもにとっては親はふたりであるにもかかわらず、現在、子連れ離婚家庭において離れて暮らす親と会えていない子どもは約7割にものぼり、毎年16万人ずつ増えています。 しかしながら、日本においては離婚後は単独親権であり、ひとりで育てるための「ひとり親家庭支援」は拡大しているものの、離婚後も両親で子育てする「共同養育」が普及していないのが現状です。
ひとり親家庭の貧困、育児放棄、虐待が社会的課題となっているなか、今後共同養育を行っていくための支援は必須であ り、共同養育を普及することがひとり親家庭における社会的課題の解決の糸口にもなるといえます。 また、2019年10月法務省から共同親権導入検討研究会の立ち上げの発表がありました。離婚後単独親権なのはG7の中 で日本だけという現状のなか、離婚後の親権のあり方、離婚後の子育てに対して社会をあげて議論することが望まれます。