「共同親権」求め、別居親ら初の集団提訴 東京地裁

 離婚すると父母の一方しか子供の親権を持てない「単独親権」制度は法の下の平等や幸福追求権を保障する憲法の規定に反し、子育てをする権利が侵害されて精神的苦痛を受けたとして、8都道府県の40~60代の男女12人が22日、国に計1200万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起した。

原告側によると、単独親権制度を違憲だと主張する集団訴訟は初めて。これとは別に都内の男性1人が今年3月に同様の訴訟を起こし、東京地裁で係争中。

訴状によると、原告らは離婚で親権を失うなどして子供と別居し、子育ての意思があるのに「司法に救済を求めてもわずかな面会交流しか認められない」などと主張。国には「共同親権」制度の立法を怠った責任があるとしている。

中学2年の娘と月に1度しか会えないという原告でフリーライターの宗像(むなかた)充さん(44)は、提訴後に会見し「子供に会えないのは親の個人的な問題だといわれるが、社会や制度の問題だと訴えたい。親と会えない子供たちは、会えないことをあきらめないでほしいと伝えたい」と話した。

法務省は「訴状を受け取っていないのでコメントできない」としている。

4年前