時事通信社:改正民法、4月施行
親権停止の民法、4月施行
(時事通信社 – 12月13日 11:05)
政府は13日午前の閣議で、父母による児童虐待を防止するため、家庭裁判所が親権を最長2年間停止できる制度を盛り込んだ改正民法と改正児童福祉法など関連法について、施行日を来年4月1日とする政令を決定した。関連法は今年の通常国会で成立した。
親権の停止は被害児童や家族、検察官の請求を受け、家裁が決める。家裁は状況に応じて、停止期間中でも親権回復を認めることができる。
親権停止の民法、4月施行
(時事通信社 – 12月13日 11:05)
政府は13日午前の閣議で、父母による児童虐待を防止するため、家庭裁判所が親権を最長2年間停止できる制度を盛り込んだ改正民法と改正児童福祉法など関連法について、施行日を来年4月1日とする政令を決定した。関連法は今年の通常国会で成立した。
親権の停止は被害児童や家族、検察官の請求を受け、家裁が決める。家裁は状況に応じて、停止期間中でも親権回復を認めることができる。
http://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/dy/opinion/international_111205.htm 以下、google和訳 国際的な子の拉致は犯罪か? 国際結婚の急速な増加が問題 棚…
「親権妨害容疑 米で逮捕」(毎日新聞10月27日夕刊)。米国に住むニカラグア国籍の元夫(39)との国際結婚で生まれた女児(9)を無断で米国から日本に連れ出したとして、日本人女性(43)が親権妨害容疑で米国ハワイ州保安局に逮捕された。
女性は、02年2月に結婚して女児を出産。米国ウィスコンシン州で暮らしていたが、08年2月に子どもを連れて日本に帰国。09年6月に米国で離婚が成立し、元夫に親権が認められた。一方、女性は、親権者の変更を求めて神戸家裁伊丹支部に家事審判を申立て、今年3月、女性の親権を認め、元夫と子どもに米国で年間約30日間面会することを認める審判がされた。4月7日、女性は永住権を更新しようとホノルルへ行ったところ、ウィスコンシン州から親権妨害容疑で逮捕状が出ており、ハワイ州保安局に逮捕された。
女性は、刑事裁判で一旦無罪を主張したが、長女を戻す代わりに量刑を軽減する「司法取引」に応じた。釈放されるとGPS(全地球測位システム)機器を装着されるという(朝日新聞11月22日夕刊)。
なお、日本の家事審判は、双方即時抗告し、大阪高裁に係属中。
女性が長女を連れて日本に帰国したのは離婚成立前―すなわち父母の共同親権下であった。米国の裁判で元夫に親権が認められたのは、裁判中に女性が子どもを連れ去ったからであろう。というのは、米国では、子どもの健全な成育のために政策的に離婚後も父母の共同養育を原則としており、その政策を貫徹させるために、配偶者の共同親権を妨害するような親から親権を剥奪するのである。これは、別居親との面会交流に積極的な親を同居親とする「友好的親条項」と同じで、司法は、政策理念を実現するのに効果的な力をもっている。ここが、日本の司法と決定的に異なる。
日本では、「子どもの健全な育成」のために父母の共同養育が重要とは未だに考えられていない。未婚や離婚の場合には、単独親権であることが「子どもの健全な育成」の前提であり、父母間の協議により決められないときには、「子の福祉」(「最善の利益」ではない)の見地から、官僚裁判官が行政処分として単独親権者を決めるのである。しかも、「母親優先の原則」や「連れ去り者勝ち」という「既成事実優先の原則」により単独親権者が指定されるので、「連れ去り」「引き離し」の「親権妨害」が助長される。神戸家裁伊丹支部が親権者を女性に変更する審判を下したのも、日本の家裁実務の典型である。むしろ、女性は、日本の単独親権制をめぐる家裁実務を当てにしたからこそ、子どもを連れて帰国したのであろうし、それを支援する弁護士も少なくない。そして、日本で親権者変更の審判を勝ち取ると、女性は「永住権を更新する」ためにハワイへ渡った。米国の司法に背きながら「永住権」とは、どういう料簡であろうか。「モンスターペアレント」さながらのモラル崩壊である。
ところで、このような「親権妨害」は、DV防止法が平成16年に改正されてから、多発している。ある日突然に、妻が子どもを連れて行方をくらます。突然失踪した妻子を案ずるのは夫として当然であり、警察に相談に行くと、DV防止法8条の2「被害を自ら防止するための警察本部長等による援助」の規定による「住所又は居所を知られないようにするための措置」の援助申出(捜索願不受理届)が妻から出されていて、夫は「真昼の暗黒」を実感させられる。そして、弁護士が盾になって、居所を秘匿したまま、離婚と婚姻費用分担の調停を申立ててくる。しかも、夫が知らないうちに、健康保険の「被扶養者」から外れていたり、生活保護を受給していたりする。このように、本来の制度が、「DV被害者の自立支援」を錦の御旗にして、全く「別ルート」で作動し、司法もそれを容認する。長期に亘り子どもと会えない夫は、冤罪死刑囚に匹敵するような絶望に陥る。
このような現象は、極めて不自然で作為的なものであり、全く同じパターンで多発している。それは、「DV離婚事件処理マニュアル」があり、それに基づいて「仕掛けられる」からである。この種の「マニュアル」では、子どもを連れて行方をくらまし、夫と接触しないまま、早期に離婚判決を得ることが基本方針とされている。そして、子どもとの面会交流についても、「子どもの権利」であることを理由に、面会させないのである。「DV被害者」と妻が言いさえすれば、行政は「別ルート」システムを作動して、妻子を夫から匿う。そして、「親権妨害」について、司法は民法の不法行為とさえ認めない。これでは、司法不在というほかない。
翻って、「DV防止法」は「男女共同参画」政策として推進されているが、全く欺瞞的である。「男女共同参画」というなら、未婚や離婚も含め、全ての子どもに対し「父母の共同子育て」を保障する政策を推進すべきである。そして、「カネ至上主義」「カネ万能主義」に偏向しない、質実剛健な「男女共同子育て支援」策を実施すべきである。
日本の司法は、「子の福祉」という価値判断を伴う事象について殆ど思考停止のまま、憲法や民法の価値観にも不感症であることを露呈している。それは、離婚と単独親権制によって、子どもの生育環境が著しく悪化し、社会不安と人生の不幸がもたらされている過酷な現実を見ようとしないからである。その点では、「司法」というより、弁護士を含む「法曹」の欠陥というべきかもしれない。
ところが、法曹人口や法曹養成制度をめぐって、弁護士会は改革の逆コースに舵を切ろうとしている。単独親権制がもたらす悲惨な紛争と親子の不幸を理解せず、「DVでっち上げ」をゴリ押しし、「親権妨害」を違法でないと言い張る等々リーガルマインドが欠如した法曹―これが日本の法曹である。このような法曹こそ、駆逐されるべきであろう。
(2011.12.5 後藤富士子)
ウルス・ガイザー, swissinfo.ch
しかし、この改正案には子どもの養育費の支払いについての項目が含まれておらず、これについての審議は来年になる予定だ。民法の整備の一環としてこの問題の法改正を行うかどうかは連邦議会次第となった。
「重要な第一歩が踏み出された」と財団法人「子供の保護(Protection of Children)」のカティ・ヴィーダーケーア氏は語る。大半の政党と圧力団体が長年の問題に終止符を打ちたいと望んでいることが伺えるため、同氏はほかのヨーロッパ諸国の法律に沿ったこの法案は承認されるだろうと楽観視している。
またヴィーダーケーア氏は、養育費の支払いへの取り組みは、まず共同親権の問題を解決してから行うことが正しいと言う。
しかし法律の改正に加えて、(共同親権についての)講座の受講義務などの補助的な方策が必要だ。ヴィーダーケーア氏は「子どものために、両方の親が親権を持ち、共同親権に対してどのように対応すべきか学ばなくてはならない」と語った。
「1人親の会(Association of Single Parents)」のアンナ・ハウスヘーア氏は改正案を歓迎しているが、貧困を防ぐために養育費の最低限度額を法律で定めるよう呼び掛けている。
「最低限度額は、1人親世帯の子どもに対する基礎年金と同額であるべき」とハウスヘーア氏は主張する。
また、そのような最低限度額の養育費の支払いは最も効果的な上、複雑な手続きを経ずに実施できると同氏は言い添えた。
さらに、スイスの1人親世帯4世帯につき1世帯が相対的な貧困生活にあり、子どもとその将来に明らかな影響を及ぼしているとハウスヘーア氏は指摘する。
男性と父親から成るグループを統括する組織は、政府案を実際的と評価している。「まさに一歩先を行く法案だ。共同親権が通例になる一方、片方の親による独占的な親権が例外となり、その正当性の十分な証明が義務付けられることになるかもしれない」と組織の代表マルクス・トイネルト氏は予想する。
トイネルト氏は、現在の制度が数多くの悲劇を生みだしたと語る。「離婚した夫婦の間の何千人もの子どもたちが父親と疎遠になっている」
またトイネルト氏は、改正案は社会の変化を反映し、(離婚した夫婦の間の)友好的な対話と協力への下地を作ったと説明した。「この法案が国会で承認されたらうれしいが、キャンペーンは続けなくてはならない」
しかし共同親権の法制化は特効薬ではない。「別居や離婚のプロセスは精神的にストレスが多く、親も専門家の助けが必要だ」とトイネルト氏は付け加えた。
裁判所は、もはや父親が一家で唯一の稼ぎ手だったころの昔の家族を基準としていない。これは非常に重要なポイントだ。
11月中旬、司法警察省大臣シモネッタ・ソマルガ氏は改正案を発表し、最も重要なのは子どもの幸せだと語った。
現行の法律では、原則として母親が単独で子どもの監護権を得られるようになっているため、改正案の目的は法律上の不平等を廃止することにある。
「しかし、改正案は、どちらの親が親権を得るのか答えを出すことはできない」とソマルガ司法警察相は述べた。
またソマルガ司法警察相は、未婚の母親の経済的問題に取り組むために、来年上半期は養育費に関する法律の改正に取り組むことを約束した。
離婚後の扶養手当の支払いに関する問題は、解決がより困難だと識者は見なしている。「困難になるのはこれからだ。この問題に関する討論には柔軟な態度がさらに必要となるだろう。しかしソマルガ司法警察相はそれができるはず」とドイツ語圏の日刊紙「NZZアム・ゾンターク(NZZ am Sonnntag)」紙は論じている。
「(共同親権についての改正案の)承認は、感情に流されにくい討論への道を開く。(親権問題の解決は)至難の業だ。離婚手続きは全く情け容赦ない」とチューリヒの日刊紙「ターゲス・アンツァイガー(Tages-Anzeiger)」とベルンの日刊紙「デア・ブント(Der Bund)」の共同社説は述べている。
ウルス・ガイザー, swissinfo.ch
(英語からの翻訳、笠原浩美)
「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(仮称 」を実施する ) ための子の返還手続等の整備に関する中間取りまとめに関する意見募集 の結果について ○ 「 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(仮称 」を実施す…
2011年11月25日 03時48分 更新
By 長嶺超輝
外務省は24日、離婚したカップルの子どもの扱いについて定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(仮称)」(ハーグ条約)を実施するため、中央当局のあり方に関する意見募集(パブリックコメント)の取りまとめ結果を発表した。合計で168件(団体20件、個人148件)の意見が同省に寄せられたという。
ハーグ条約は、1980年署名の多国間条約で、世界81カ国が加盟(批准)しているが、日本やロシアは未だ加盟していない。政府は今年5月の閣議了解において、ハーグ条約について締結に向けた準備を進めることを決定している。
国内における子どもの居場所に関する情報を相手国に提供する点については、「子の所在特定は中央当局に課せられた重大な任務である」として支持する意見のほか、「DV被害者への配慮や個人情報の過度な流出の防止の観点から、提供すべき情報の範囲は明確にすべきだ」との慎重意見、「例外なく提供すべきでない」との反対意見も見られた。
子の「再連れ去り」など、さらなる害や不利益を防止するため、出国を制限する点については、「パスポートの一時保管や新規発給の制限」「出国禁止等の立法的措置を講じる」といった賛成意見があった一方、憲法22条の海外渡航の自由に関する配慮から、慎重な意見もあった。
また、親子の面会交流に関して、中央当局が援助を実施する点については、「条約締結前に連れ去りなどがあった事案についても、できる限り支援をすべきだ」「中央当局が国内の既存の面会交流の制度を紹介できるよう、また、充実した面会交流が可能となるよう制度を整備すべきだ」との賛成意見があった一方で、「中央当局の関与は、子の所在の確知や友好的解決の促進にのみ留めるべきで、子の社会的背景に関する情報交換を支援の範囲に含めるべきでない」「中央当局は司法機関でないので、活動は限定的に」などの慎重意見があったと発表された。
このほか、DVや児童虐待への対応など邦人への支援体制を強化すべきとの意見、不法な子の連れ去り行為の罰則化など、既存の国内法制度の改正の必要性について指摘があった。さらに、そもそもハーグ条約を締結すること自体に賛否両論の意見があったという。
法律の問題も
親権とは、親が自らの子に関して監護や財産管理を行う権利。日本では民法819条の規定により、婚姻中の夫婦は二人ともが、その子に対して「共同親権」を持って育てるが、離婚後は夫婦の一方のみが親権を行使する「単独親権」しか認めていない。
このような制度の下では、婚姻関係が破たんした夫婦間で、いずれが親権を取得するかに関する話し合いが揉めた場合、子を連れ去って一方の親が別居を強行する事態が起こる危険がある。なぜなら「現状として、どちらの親が子を監護しているか」が、家庭裁判所において親権者を定める重要な要素となるためだ。
海外で国際結婚した日本人が、婚姻破たん後、一方の親の許可なく、子を日本国内へ連れ去ってしまう問題も諸外国から指摘されており、子の生育における福祉に深刻な影響を及ぼす危険をはらむ。
ただし、日本に子を連れてきた理由として、外国人の元配偶者の側に、子の生育に悪影響を与えかねない要因(暴力や酒乱など)があるケースも少なくなく、せっかく日本に連れてきた子を元の国へ送還することが、むしろ子の福祉に反する場合もあるとして、ハーグ条約加盟に反対する声もある。
今後、ハーグ条約に日本が加盟することとなれば、離婚した両親に「共同親権」を認めるよう、民法819条を改正するのが本筋とみられているが、政府は親権問題に手を付けず、子どもを元の国に戻すかどうかの判断や、離婚後に別居した親との面会手続き、条約加盟国からの子の返還申し立てを受け付ける窓口などを定めた新法で対処する方針である。
(1)国内法制度の改正の必要性 49件 ①総論 4件 ●政府は日本の単独親権制度,DV 防止法,家裁の不適切な運用により,離婚,別居(子の 連れ去り)により「子の最善の利益」を損なっている実情を正確に把握して,法を整備すべ き。子供の権利条約に規定される「児童が最善の利益に反する場合を除くほか,父母の一方 又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触 を維持する」ことが「子の最善の利益である」との前提に立ち,国内担保法を整備するべき である。(個人) ●「連れ去りによる継続性の原則」,「母親優先の原則」「面会交流の制度」等の国内法を見 直すべき。(個人) ●民法766 条が改正を経た日本の関連法の整備,国民の認識,家裁の運用姿勢は全く不十分。 現在の国内法制度や家裁運用の下では,母子共生の理念を優先させ,非監護親が父親である ケースは,確定判決の前後を問わず,母親である監護親による実子との引き離しが常態化し ている。この国内法制度不備の状況下でハーグ条約を遵守すると,ハーグ事案での子の返還 請求における国内裁判所審理と,国内事案での裁判所審理が矛盾する結果になるという懸念 あり。(個人) ②子の連れ去りの罰則化 3件 ●連れ去りには,刑罰を処するようにすること。ただし加害者による連れ去りに対してであ り,DV 被害者が子の保護のために連れ去る場合は罰しない。(個人) ③共同親権の制度化 12件 ●ハーグ条約を推進するならば,国内法律も国際的な法律と照らして同様な選択肢が取れる 制度に変えるべきである。まずは日本の親権制度に共同親権も選択出来る制度にすることが 必要。(個人) ●虐待やDV などがあり,夫に子を託した場合に,子の安全を守ることができないこともあ るので,選択的共同親権制の導入を検討すべき。(個人) ④面会交流制度の改善 20件 ●DV や虐待ケースの場合,加害者との接触の援助を拒否できなくてはならない。(個人) ●親権を持たない親には,子に害が及ぶことが証明された場合を除き,子が16歳になるま で1年のうち最低2~3ヶ月,自由に子との電話もしくはメールを通じた面会交流を受ける 権利が与えられるべきである。また,親の国籍が異なる場合は,親権を持たない親の国での 面会時間を最低2~4週間与えるべきである。親が子を虐待した場合や,親に重大な精神疾 患がある場合は,それを証明した上で,親と子の接触禁止を判断する。(個人) ●日本において,別居・離婚後,非監護親と子の交流が極めて貧しい内容でしか行われず, 社会問題化している実態を鑑みれば,今の日本の司法制度のままでは,ハーグ条約の趣旨は 担保されない。(個人) ●欧米標準の面会交流が実現する法的な仕組み(隔週2泊3日,長期休暇には長期宿泊を認 めるなど)を新たに構築する必要がある。さらに,監護権者が面会交流の取決めに違反した 場合には罰則を科すなど面会交流の実効性を高めている。日本では面会交流の頻度も少なく (月1回,2時間程度)かつ,法的強制力もないため,監護親が拒否すれば,それも実現し ない。欧米の法的な仕組みに比べると,日本の離婚後の面会交流,共同養育の法的な仕組み は「真に子の最善の利益」を考慮したものとはなっていない。(個人) ●ハーグ条約第21条の目的のため,時代遅れの国内法に基づく子への接し方の日本の概念 は,極度に制限されていて,米国の重罪犯が有する自分の子との面接交流権と同程度である。 取り残された親に与えられる面接交流権は可能な限り,自由で,監視されず,尊厳を傷つけ ないものにするという日本の保証を要望する。(BACHome) ●本来離婚等で別れ別れになった親子が人間的な関係及び接触を維持するために必須の権 利であるにも関わらず,日本では,面会交流の実現が極めて困難な状況。その原因として① 面会交流に関する法律が存在しない②裁判所が面会交流に対し,消極的であり,色々な理由 をつけて面会交流を認めない,③裁判所での審議は時間がかかる,④裁判所で面会交流の実 施を決めることができたとしても,監護親が拒否をすれば,強制力も罰則もないため,面会 交流の実施は守られない,⑤面会交流を援助する社会的支援の不備等があげられる。(個人) ⑤国内の現行制度 6件 ●ハーグ条約加盟及び共同親権は,先進国だけでなく,韓国や中国でも常識となりつつある。 日本も国際社会の一員として相応しい法律の下で,健全な考え方をもった国民としての行動 がとれるよう法律改正が必要。(個人) ●ハーグ条約は,個別の紛争案件を取り扱う実務条約であり,日本国内で法曹界が通用させ てしまっている子の権利をないがしろにしても是とする民法の後進性が必ず障害になる。 (個人) ●面会交流についてもきちんとしたルールの取決めができる法律がなければ海外からは批 判されるだろう。(個人) ●国内での子の連れ去り案件の規制ができないままで,ハーグ条約に加盟して諸外国にどう 説明するのか。(個人) (2)DV 及び虐待問題 ①DV 虐待対策 35件 ●DV 女性がどんな思いで,男性から離れてくるかということを思うと,あまりに被害者を 無視した条約。それでも,両親のどちらと住むかについて選ばざるを得ない時は,しっかり と子の意見を聞ける環境を作り,心を通わせることができ,本当の意味で子の思いを聞いて くれる人,第三者機関が入り,どちらと住みたいかを聞いてもらいたい。(個人) ●この条約を締結するのであれば,女性の安全を守るシステム,子の意見を聴くシステムを 確立,整備が必須。(個人) ②DV 認定に係る問題点 20件 ●国際離婚により連れ去られる理由は,大部分がDV の主張によるものであり,その大半が 捏造DV である。 家庭裁判所は従来から女性偏重主義を取っており,少しも公平な処置を行っていない。作 るべき法案はDV を理由に連れ去った妻の親権を剥奪し,連れ去った子について成された養 子縁組を無効にし,しかもこれまでのケースについても遡及的に同じ扱いを認め,DV に明 白かつ客観的な証拠がない場合には全面的に子を元に戻すものでなければ条約の精神に沿 ったものとは言えない。(個人) ●国内では,DV 冤罪ケースが多発している。特に精神的DV などは,本人がDV と言えばDV ということになってしまうので,この理屈だと,ハーグ条約で返還を求められても,とりあ えずDV を理由にすれば 返さなくてもよいということになり,何でもかんでもDV の訴えが 出されるようになる可能性は否定できない。(個人) ●司法現場での証拠無きDV認定を禁止。DVに関する認定基準を厳格にし,冤罪による被害者 を減らすとともに,真のDV被害者を埋没しないままに助け出せるようにするべき。(個人) ●相手のDV から逃れるためとしてDV をでっちあげ,弁護士指定のシェルターに半年ほど入 居させ,一切相手方と会わせない。また,相手に連れ去られる前に子を連れ去りなさいとい った弁護士の対応も問題がある。(個人) (3)締結の方針 ①条約加盟に賛成 28件 ●ハーグ条約の批准は日本の大きな一歩。しかし,数十年外国より遅れをとっている国内法 や日本人のおかしな習慣を改善し,他の批准国と合わせなければ外交問題になる。(個人) ●ハーグ条約未加盟による日本の対応全般に対する不信感から,正常に国際結婚を営んでい る人まで,子を連れての不合理な出国拒否に巻き込まれることは理不尽極まりない。法的な スクリーンを何も通さず,子を連れて帰国さえすれば事実上子との生活が確保できてしまえ るというのは,事情はあれ法治国家のルールには馴染まない。日本に対する国際的な信用力 の低下も加味して考えると,ハーグ条約の批准は世界的に不可避な流れであるので,日本と してもこの批准をした上で,子の利益を考慮して例外に該当すべき案件は断固子の返還の拒 否ができるようしっかりと国内法及びその運用を整備していくことが大切である。万全の準 備をして,賛成派の人も反対派の人も皆が納得できるような合理的な運用を図って欲しい。 (個人) ●ハーグ条約の早期批准と国際基準に合わせた国内法の改正(共同親権・共同養育)を希望 する。子を連れ去った経緯もそれぞれでDV 等の問題もあるかと思うが,子の利益を考えた 場合にはハーグ条約に批准すべきである。(個人) ●ハーグ条約締結国が,虐待行為やDV 行為を見過ごしているとは思えず,国内にせよ国際 間にせよ,連れ去り行為が行われる前の状態に戻して,話し合いが行われることが,最初に とるべき方法。(個人) ●日本がハーグ条約に未加盟であり,子の福祉への関心が薄い国家であると考えられている ことにより,フランス国内ですら私と子の外での面会は認められていない(私が子を日本へ 連れ去った場合に法的強制力をもって子をフランスに連れ戻す手段がないことを警戒して いるものと思わるため)。(個人) ●「単独親権」,「母性優先」,「監護の継続性」という,厚い法律の壁があるため,離婚して 元妻に連れ去られた子に,自由に会うことができない。(個人) ●現在の面会交流は,監護親の利己的な反対だけで,中身を貧弱にされる。ハーグ条約の最 大の趣旨に照らし子の希望が最大限適うよう内容を充実してほしい。(個人) ●ハーグ条約未加入が障害になり,一方の親は子に会う事もできなくなっているケースもあ る。加入に当たり一番の問題は,関連する国内法の整備である。今のまま加入すれば,整合 性が取れず,問題が大きくなってしまう可能性がある。(個人) ●両親の関わる子育ての有効性は,世界で証明されており,今回の日本の批准は,世界標準 に追いつくチャンスである。(NPO 法人保育支援センター) ●現在日本でハーグ条約に反対している,連れ去ってきた側の女性たちの言い分が「日本の 文化にそぐわない」「欧米型家族の強制」という言葉にすり替えられ,誘拐を正当化されて いるように思えて大変残念である。(個人) ●日本がハーグ条約に加盟する準備を進めると決定したことを称賛し,日本の取組への強い 支持を表明する。日本に対し,ハーグ条約を実施するために同条約の目的と精神を認識した 法律を制定し,不法に連れ去りまたは留置された子の常居所地への速やかな返還を促進し, 他の条約締結国の法律に基づく監護の権利および接触の権利を効果的に保護するよう促す。 裁判所命令が実効的となる体制が必要であるほか,返還拒否事由は限定的であるべきである と考える。(オーストラリア,カナダ,フランス,ニュージーランド,英国,米国政府) ②条約加盟に反対 14件 ●共同親権に問題はないのか。別れた母親と父親が,子の教育方針を巡ってもめる姿をみる のは子に悪影響。(個人) ●海外で結婚して逃げるように帰ってきた日本の母親が,この条約により,また子を奪われ, そして大変な心の傷をまた受けかねないと思う。DV は危険性だけではなく,経済的DV,精 神的DV,などさまざまなDV があるなか,直に暴力がないからといって,子や母親の権利, 意見を無視されかねない。(個人) ●日本女性を保護するためにも,絶対に欧米の圧力に負けることなく,国内世論では反対が 多いということでハーグ条約には加盟しないでほしい。(個人) ●養育親がDV などの事情により,やむを得ず,国外に子と共に出ざるを得ないような場合 でも,罪となり,子が元の居住国に戻されることは,養育親や子の人権や心身の安全を脅か すものであり,到底認めることはできない。また,DV 被害を受けた女性の場合,DV 被害を 女性自身が証明するのは非常に難しく,元の居住国に戻ることは,再びDV 被害に身をさら すことになる。(W・S ひょうご,しんぐるまざーず・ふぉーらむ 尼崎) ③条約加盟に慎重 7件 ●本来,どちらの国でどちらの親と生活するのが本人にとってベストなのか,子の立場から 判断すべきであり,返還ありきではないはず。(個人) ●日本は単独親権制度だが,共同親権制度を採用している国や地域との共通の法的理念の採 用は慎重に検討して,文化や根底の考え方の違いを良く理解して欲しい。了解を得ないで子 を連れ出さざるを得ない深刻な状況にあるDV 被害者には特別の配慮が必要である。(ハンド インハンド大阪の会) ●親の権利ということではなく,まず一番に子の福祉や子の権利という観点から,納得がい く説明がなされた上でハーグ条約の受け入れ,批准を考えていただきたい。条約を結べばど ういうことが起こり得るかも含めて,もっと国民にわかりやすい説明を求めたい。(個人) ●日本では,まだまだ女性の社会的地位は低く,経済力もない場合がほとんどで,DV 被害 にあっても,子を連れて逃げ出す他に解決方法がないケースがほとんどである。こうした状 況でこのような条約が批准され,国内法に適用されれば,DV 被害者救済への道が閉ざされ てしまう。立証の義務を被害者に求める現行の判例等をみると,極めて限定的な運用になる ことが懸念される。(個人) ●簡単に締結するべきではなく,まずは自国で法律や専門機関をつくり,子のケアもふくめ てもっと考えることが先決。(個人)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/saiyo/hijyokin/hague.html
採用情報
非常勤職員の募集(ハーグ条約関連)
平成23年11月18日
外務省は,ハーグ条約に関して,以下の要領にて選考による非常勤職員の募集を行います。積極的なご応募をお待ちしています。
採用期間
平成23年11月25日から12月24日まで(予定)
職務内容
ハーグ条約の実施のための法律案(中央当局部分)作成業務補佐等
待遇
採用後は,非常勤の国家公務員(ハーグ条約調査員)として,外務省総合外交政策局子の親権問題担当室(東京都千代田区霞が関2-2-1,外務本省内)に勤務することとなります。基本給は,原則として外務省専門職合格者に準じる扱いで格付けの上支給されます。健康保険,厚生年金保険及び雇用保険については,一定の基準を満たした場合,加入します。
採用予定者
1名
勤務日,勤務時間
週5日,9時30分から18時15分の間で週29時間を超えない範囲(昼休憩12時30分から13時30分)とする。
応募資格
(1)大学卒業又は同等の学歴を有すること。
(2)民法(家族法),民事訴訟法,行政法分野において高度の知識を有していること(同分野における実務又は研究の経験を有していることが望ましい)
(3)ワード(Microsoft)ソフト等を用いた資料作成,高度な事務処理能力を有すること。
(4)当該採用期間にわたり継続して勤務が可能なこと。
(5)日本国籍を有し,外国籍を有しないこと。
(6)次のいずれかに該当するものは,今回の募集に応募できません。
ア 成年被後見人又は非保佐人
イ 禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
ウ 一般職の国家公務員として懲戒免職処分を受け,当該処分の日から2年を経過しない者
エ 日本国憲法施行の日以後において,日本国憲法又はその下に整理した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他団体を結成し,又はこれに加入した者
(注)民間企業からの出向を希望される方は,所属企業人事当局の内諾を得てください。
申請期限及び申請書類の送付先
(1)締切:平成23年11月24日(木曜日)(必着)
(2)郵送先: 〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1
外務省総合外交政策局子の親権問題担当室
(注)郵送の際,封筒の裏に「ハーグ条約調査員」と朱書きしてください。
申込書類
(1)履歴書1通(書式は問いませんが,写真を必ず貼付してください。また,これまでの高校卒業以降の学歴及び職歴を1か月単位で全て記入してください。)
(2)研究成果,執筆論文等がある場合は,それらの写し。
(注)提出いただいた応募書類は返却いたしません。
選考方法
(1)第一次選考:書類審査
(2)第二次選考:一次選考合格者に対してのみ連絡の上,面接試験を実施します。実施日時は,一次選考合格者に対し直接担当者よりお知らせします。
問い合わせ先
〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1
外務省総合外交政策局子の親権問題担当室(担当:菅原)
電話:03-3580-3311(代表)
詳細はこちらから kネットの意見として代表者が提出しました。 意見: 中間取りまとめについて、全般にわたり夫婦間の対立を助長し、結果として子どもの権利条約の示す子どもの利益から離れる内容である。 わが国の国会で批准された…
ハーグ条約の中央当局の在り方に関する懇談会 第3回会合 議事概要 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/kondankai03_giji.html 平成23年10月24日 (小早…
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/kondankai03_gy.html
平成23年10月24日
24日,外務省において開催されたハーグ条約の中央当局の在り方に関する懇談会第3回会合の概要は以下のとおり。
委員会提出議案第8号
父母の別居・離婚後の子との面会交流の環境整備を求める意見書
近年、国内では毎年25万組を超える夫婦が離婚し、そのうち14万組以上に未成
年の子どもがいます。
そして、我が国の民法は、協議上の離婚であれ、裁判上の離婚であれ、離婚後の親
権を父母の一方にのみ認める単独親権制を採っています。
このことから、離婚紛争時には、未成年の子どもをめぐり、奪い合いや連れ去り、
子どもと同居している一方の親(同居親)が他方の親(別居親)に対して子どもとの
面会や交流を拒絶し、あるいは妨害するといった事例もしばしばみられ、別居親が子
どもとの面会交流を求めて全国の家庭裁判所に審判や調停を申し立てる件数も、年々
増加しています。
本年6月には民法が一部改正され、協議上の離婚をするときには当該協議で「父又
は母と子との面会及びその他の交流」を定めることとされましたが、協議や調停によ
る合意にせよ、裁判上での審判や判決にせよ、離婚の成立後に相手方が子どもとの面
会はおろか交渉にも応じず、実効性が確保されていないのが現状であります。
一方、別居や離婚により虐待や遺棄などから子どもが解放されるケースもあり、子
どもの安全と安心を確保するための取組も重要であります。
以上のことから、国においては、子どもの人権を尊重し、その福祉や利益に最大の
配慮をしつつ、別居・離婚後の父母と子どもの面会交流を適切に進めるための実効性
のある法環境等の整備を進めることを求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成23年10月21日提出
さいたま市議会総合政策委員会
委員長 輿 水 恵 一
両親の離婚後などに、子どもが別居親と会って過ごす「面会交流」。実際に行われているのは二割程度とみられるが、今年五月に民法が改正され、今後は離婚の際に取り決めをすることが決まった。支援者らに交流の意味を聞いた。 (竹上順子)
一緒に積み木を重ねると、男の子(2つ)は父親(39)の顔を見てニッコリ笑った。一カ月ぶりの再会。父親は「甘えてくれるのがうれしい。お父さんだと認識しているんですね」と顔をほころばせた。
二〇〇九年に離婚し、長男は母親(33)と暮らす。面会交流の約束はあったが、会えなくなったため父親側から働きかけ、調停に。第三者機関がかかわることを条件に今年六月、四カ月ぶりに面会交流が再開された。
会うのは月一回、二時間ほどで、仲介支援をする「NPOびじっと」(横浜市)の男性スタッフが付き添う。日程などの連絡はびじっとが行い、当日はスタッフが母親から長男を預かり、遊び場で待つ父親に会わせる。
ほぼ毎回、同じスタッフが付き添い、父子が遊ぶ間は求めに応じて写真を撮ったり、離れて見守ったり。母親は「間に入ってもらえるのでやりとりがスムーズ。今後も利用したい」と信頼を寄せる。
びじっとは〇七年に事業を開始。付き添い(三時間一万五千七百五十円)や子どもの受け渡し(六千三百円)など、月に十二件ほどの仲介を行う。中には隔週一泊二日や、夏休みに一週間など長期の交流をする利用者も。スタッフは見守りのほか、子どもとの接し方が分からない別居親に助言したり、感情的になりがちな親をサポートしたりもする。
「面会交流は、子どもが『愛されている』と感じるために行うもの。元夫婦の間に葛藤があっても大人として対応してもらう」と古市理奈理事長は強調する。利用前には必ず父母それぞれと面談して、目的や意義、約束事などを話している。
「面会交流の継続は子どもの自己肯定感を育て、親を知る権利を保障する」と、家庭問題情報センター(FPIC)東京ファミリー相談室(東京・池袋)の山口恵美子常務理事は話す。虐待などがあれば面会交流は認められないが、中には同居親への配慮から別居親と会いたがらない子もおり、対応には注意が必要という。
「別居親がたとえ良い親でなくても、子ども自身に評価させないと思春期の自分探しが難しくなることも。将来まで考え、交流を続けるかどうかは、少し会わせてから子どもに判断させて」
年間離婚件数は約二十五万件で、約六割に未成年の子どもがいる。乳幼児を抱えての離婚も増えており「愛着形成のためにも面会交流の重要性は増しているが、家庭裁判所などの理解は遅れている」と、日米の面会交流や離婚後の子どもの心理に詳しい棚瀬一代・神戸親和女子大教授(臨床心理学)は指摘する。
家裁では「面会交流のしおり」やDVDを作り、離婚調停時などに紹介しているが、棚瀬教授は「もっと積極的な親の教育プログラムが必要」と話す。調停や審判で決まる面会交流の頻度は月一回、数時間程度が多いが、「親子の絆を維持するには不十分」という。
改正法は来年六月までに施行されるが、棚瀬教授は「取り決めをしやすくするため、各地の家裁にマニュアルや相談窓口を置いてほしい」。山口常務理事は「離婚の九割が裁判所が関わらない協議離婚。離婚届に取り決めの記入欄を設けるなど、法律の空文化を防ぐべきだ」と提案する。
民法第818条3項は、「親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。」と定め、同第820条は、「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」と規定している。すなわち、婚姻中は、「共同親権」「共同監護」である。また、離婚については協議離婚を原則としており、離婚後は単独親権(民法819条)になるからこそ、「離婚後の監護に関する処分」について条文が規定されている(民法766条)。すなわち、離婚後は「単独親権」「共同監護」というのが民法の前提である。
ところが、実際には、離婚後の監護問題を含めて夫婦が協議する過程を経ないで、離婚を仕掛ける配偶者が一方的に子の「身柄」を拉致し、他方配偶者と子の交流を遮断することから離婚紛争が勃発する。すなわち、共同親権者の一方が子どもを連れ去ると、他方は、子どもに会うことさえままならなくなり、「家庭破壊」にさらされた配偶者こそ悲惨である。