共同親権運動ネットワーク(kネット)メールニュースNo.58「kネット福岡 知ってほしい“引き離し”という虐待」
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http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111104/trl11110408110000-n1.htm
◇
≪大谷美紀子氏≫
■国際的ルールの中で解決を
--なぜ加盟が必要なのか
「もともと米国やフランスなどでは、片方の親が子供を一方的に連れて帰ることは国内法で禁じられた犯罪にあたる。しかし日本はこれまで、日本国内では犯罪でないのだから返す必要はないという対応を続けてきて、数年前から国際問題化していた。このまま非加盟を続けるのは、子供を連れて帰ってこいと言っているようなもので、何の解決にもならない。今と比べて厳しい形にはなるかもしれないが、早く一定のルールに参加して、その中でどう邦人を守っていくかを考えないといけない」
○非加盟でも守れない
--自国民保護の観点から批判もある
「ハーグ条約に加盟しなければ国際離婚した邦人が守られるというわけではなく、中途半端な状況に置かれ続けるだけだ。今後もこの問題は発生し続ける。国際離婚問題で弁護士が相談を受けたとき、日本はハーグ条約に入っていないから子供を連れて帰ってきなさい、と言うのが果たしてよい解決なのか。国際結婚は相手があるわけで、日本のルールだけでは決まらない。国際結婚が当然持つリスクについて、今まであまりにも軽く見られすぎていた」
--家庭内暴力(DV)など、やむを得ない理由もあるのでは
「たしかに当事者にはDVなど、帰ってくる事情があったのだろう。連れ帰ったことで国際指名手配されて、もう日本国外には出ないという選択も、決めたのが本人ならそれでいい。しかし、連れて来られた子供はどうなのか。たとえば日本人と米国人の間に生まれた子供で、日米二重国籍となっている場合は、米国で教育を受ける道もある。日本に連れ帰ってしまうと、そうした可能性を親の都合で摘み取ることになる」
○日本側の認識甘い
--日本と欧米とで、親権に関して考え方の違いがあるのでは
「日本の法文化は、親権に関する考え方がかなり緩い。日本では片方の親が子供を連れて家から出ていっても、あまり問題視されない場合が多いが、米国のようにその行為をはっきり犯罪とみなす国もあり、内外の認識差が大きい。中には米国の裁判所の命令を無視して逃げ帰った例もあるわけで、米国からすると、日本が犯罪者をかくまっているようにも映る」
--未加盟で解決は無理なのか
「加盟しなくてもいいという人は、対案を出してほしい。この問題で最強硬派の米国はエスカレートする一方で、北朝鮮による拉致問題での非協力や、犯罪者引き渡し手続き適用などの手段に訴える可能性もある。外圧に屈しろと言っているわけではないが、交渉としてみた場合、非加盟のままで妥結点を設定できるのか疑問だ」
◇
≪大貫憲介氏≫
■「子の福祉」の観点置き去り
--条約加盟の何が問題か
「ハーグ条約の根本的な問題は、“子の福祉”を考えていない点だ。一方の親による子供の連れ去りというが、弁護士としての実務的な経験からみると、配偶者による児童虐待や家庭内暴力(DV)を理由に、やむなく国境を越えて逃げてくる事例が多い。返すべき事案とそうでない事案があるのに、ハーグ条約は原則的に子供を元の居住国に返すことを定めているため、そうしたケース・バイ・ケースの審議がなされない」
●「返還ありき」不適切
--具体的にはどんな事例が?
「これは外国の事例だが、虐待を受けた子供をハーグ条約に従って元の国に返還したところ、虐待者である父の家に返すわけにはいかないので、結局、児童保護施設に収容されたケースがあった。子の福祉という観点で、これが望ましい結果だと言えるだろうか。離婚後の親権問題の本質は、どちらが子供を育てることがより子供の幸福に合致しているか、ということのはずなのに、まず返還ありきというのは適切ではない」
--加盟を前にした法律案では、返還拒否を可能にする条文の盛り込みも検討されているが
「返還拒否事由について、今、法律案として出てきているものを見ると、あまりにも厳しすぎる。9月に出た法務省中間案を読むと、過去に暴力を受けたことがあるだけでは不十分で、“返還した場合、子がさらなる暴力等を受ける明らかなおそれがあること”を本人が立証しなければならない。実際には機能しない可能性が高い」
--非加盟なら、“連れ去り”の被害はどうするのか
「ハーグ条約に加盟しなければ日本から連れ去られた子供が返してもらえない、という話は実はウソで、私自身が弁護士として子供を返還してもらった案件が今年だけでも2件ある。また日本にも子供の返還を求める審判申し立てなどの法制度はあるのに、外国人から活用されていないのが問題だ」
●外圧で曲げるな
--条約に加盟しない日本は、国際的に批判を浴びている
「国際的といっても、“連れ去りは正義に反する”という考えが特に強いのは米国で、今回突出して日本に圧力をかけているのも米国だ。だが、日本には日本の社会に沿って形成された法文化というものがある。ハーグ条約加盟で、必然的に面会交流も欧米流になっていくだろう。日本では離婚時に父母のどちらが親権を持つかを決めるが、欧米では離婚後も共同親権だ。つまり、新しい家庭を持った後でも、別れた夫もしくは妻が子供と頻繁に会って、子育てに干渉してくるわけだが、それに日本人が耐えられるのか。慎重に考えなくてはならない問題だ」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111103/trd11110321510016-n1.htm
「ハーグ条約」について、1日までに2122人(男性1464人、女性658人)から回答がありました=表参照。
「ハーグ条約を知っていたか」については「YES」が86%と大多数を占めました。「加盟に賛成か」については「反対」が51%とほぼ半数。「両親ともに親権を持つ欧米型の共同親権制に移行すべきか」については「移行すべきだ」が58%に上りました。
(1)ハーグ条約を知っていたか
86%←YES NO→14%
(2)加盟に賛成か
49%←YES NO→51%
(3)両親ともに親権を持つ欧米型の共同親権制に移行すべきか
58%←YES NO→42%
共同親権もっと議論を 離婚後の面会 トラブル多く 別府市で集い 2011年10月29日 11:07 離婚して子どもに会えなくなった親の思いを語り合う集いが今月、大分県別府市内で開かれた。日本は離婚の際、父母のどちらかに…
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/kondankai03_gy.html
平成23年10月24日
24日,外務省において開催されたハーグ条約の中央当局の在り方に関する懇談会第3回会合の概要は以下のとおり。
なるほドリ:人身保護法ってどんな法律? /奈良
◇不当拘束からの回復が趣旨 民事手続きが主体
なるほドリ 10月18日、奈良地裁で人身保護法違反の罪を問う裁判があったそうだね。
記者 元妻に親権が認められた子供(5)の引き渡しを拒否したとして、奈良地検が今年8月、元夫(39)を在宅起訴し、その初公判が開かれました。
Q どんな法律なの?
A 不当に奪われている心身の自由を回復することが目的です。誰でも裁判所に救済を請求でき、請求理由が正当と認められれば、拘束者は、拘束されている人を釈放(解放)しなければいけません。判決に従わなければ、執行官らが強制的に釈放させる「強制執行」になります。
Q 刑事裁判は珍しいの?
A 法務省によると、06~10年に全国の検察庁が受理した人身保護法違反事件は計11件で、起訴したのはうち1件のみ。珍しいケースです。法律の趣旨は、拘束者に対する処罰ではなく、拘束されている人の自由の回復です。このため民事手続きが主体で、刑事事件に発展することが少ないのでしょう。
Q 事件を詳しく教えて。
A 元夫は09年1月、母親の下から子供を連れ帰り、引き渡しを拒み続けました。母親は子供の引き渡しを求め、奈良地裁葛城支部に人身保護請求し、母親への引き渡しを命じる判決が出ました。しかし、元夫は判決に従わず、強制執行にも応じなかった、とされています。
Q なぜ引き渡さないの?
A 代理人弁護士によると「子供が一緒にいたいと言っている」と話しているそうです。起訴内容については「強制執行を妨害していない」と一部否認しています。
Q 子供の意思は?
A 自分の意思でとどまっている場合は子供の意思が尊重されます。しかし、今回は5歳の幼児。意思能力がなく、自由意思でそこにいる訳ではないので「不当に自由を奪われた」と判断されるのでしょう。子供は現在、再度の強制執行により、母親の下に戻されています。
Q 裁判はどうなるの?
A 次回は12月8日に公判が開かれ、被告人質問などが予定されています。子供を思う両親の気持ちは分かりますが、子供のために両親が争うのは悲しいこと。子供の幸せを第一に考えてほしいですね。<回答・岡奈津希(奈良支局)>
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あなたの質問をお寄せください 〒630-8114(住所不要)毎日新聞奈良支局「質問なるほドリ」係(o.nara@mainichi.co.jp)
毎日新聞 2011年11月1日 地方版
知ってほしい”引き離し”という虐待
~ある日突然、親子が会えなくなる非劇~
現在、日本では年間約25万件の離婚があり、そのうち約16万件は子どものいる夫婦の離婚です。あまり知られていないことですが、単独親権制度である日本では、離婚後、親権を持たない別居親は、親権者である同居親が拒めば、子どもと会う事ができなくなってしまいます。「共同親権制度で、夫婦は離婚しても、親と子どもの関係は維持され、別れた夫婦が共同で子どもを養育すること」が法的にも担保されている欧米諸国に比べて、極めて対照的です。
「引き離し」という言葉があります。聞きなれない言葉ですが、配偶者の一方がもう片方の配偶者の了解なしに子どもを連れて別居してしまい子どもと非同居親を会えなくしてしまう事(「連れ去り別居」)を言います。これは、海外では「誘拐」として、犯罪とされているのですが、日本では最初の「連れ去り別居」は容認されています。「連れ去られてしまった親」は、その後、子どもに会えなくなってしまい、何年もわが子に会えない非同居親が多数存在しています。
現在日本政府は、国際的な子の奪取の民事面に関する「ハーグ条約」に加盟する準備を進めています。この条約は、国際離婚における子の奪取事件(前述の「連れ去り別居」)について扱うものです。ハーグ条約の批准は、日本国内における子の連れ去りと、親権者(同居親)による非親権者(非同居親)に対する子どもの面会拒否が容認される実態が、国際的に大きく批判されているということでもあります。
また、日本国内においては母子家庭の貧困率は諸外国に比べてきわめて高く、養育費の徴収率も20%を切っていることが知られています。これらは単独親権制度が、たとえ双方の親が離婚後も子どもの養育にかかわりたいと思ったとしても、離婚と同時に(正確には子どもを連れ去ってから、実質的に)親権を一方の親から剥奪し、子どもの養育にかかわることを保障しないという実情があります。日本はひとり親を大量に生み出す制度を社会的にも法的にも維持し続けています。
離婚後の子どもの養育に両方の親がかかわることは、法的な裏づけがあれば大きく促進されるでしょう。実際に欧米諸国が共同親権制度に移行したのも、離婚後の夫婦双方が子育てにかかわることが、子どもの成長にとって、とても良いことであるという検証の結果としてなのです。アメリカでは、子どもの引き離しは「情緒的虐待」として、児童虐待の一種とされており、親権の剥奪理由になります。日本では毎年多くの引き離された子どもたちが、「情緒的虐待の被害者」となり、大きく傷ついています。こういった状況を改善するには、現行の単独親権制度を、共同養育が可能な共同親権制度に転換することは大前提です。これからの子どもの養育のあり方について共同親権制度を議論することは、親権制度の抜本的な改革が不可欠であり、そのために立法府が主導する議論の広がりを私たちは期待しています。
これまで、我が子と会えなくなった非同居親が中心となって、単独親権・単独養育から共同親権・共同養育に移行することを目指して活動してきました。これからは「争わないではいられない」単独親権制度の弊害を是正し、「協力することも可能な」共同養育を広めるために、何ができるかも考えていきたいと思います。離婚した夫婦お互いの関係調整は、困難が伴うでしょう。しかし、その部分を乗り越えれば、多くの離婚家庭が「非関与という協力」によって、共同養育を実現することができるということを、いち早く共同養育を実現していった海外の国々は証明しています。離婚に際し、子どもの養育のために親としてどうしていくべきなのか、そういう視点から、大正大学の青木聡教授には「引き離しが子どもに及ぼす悪影響とそれらを防ぐための海外事例の紹介」を、中村多美子弁護士には、「現在の離婚後の子どもをめぐる紛争の実情と、法律の専門家からみた解決の方向性」についてお話していただきます。
また、パネルディスカッションでは、実際に引き離しに会った非同居親や、片親と引き離された経験のある方も交え、引き離しが引き起こす問題と、引き離しを量産し続けている司法やそれを取り巻く現状、今後どのようにすれば状況が改善するかなどについて議論していきたいと思います。
(日時)2011年 11月12日(土) 14時~16時30分
(会場)福岡市立早良市民センター 視聴覚室
〒814-0006 福岡市早良区百道2-2-1
(電話)092-831-2321
〈最寄駅〉福岡市営地下鉄「藤崎駅」2番出口からすぐ
(参加費) 無料
(内容)
◆◆第一部 基調講演①(14時10分~)◆◆
○大正大学 人間学部 臨床心理学科 教授 青木聡氏
◆◆第一部 基調講演②(14時50分~)◆◆
○リブラ法律事務所・中村多美子弁護士
◆◆第二部 パネルディスカッション(15時40分~)◆◆
(出演者)
○リブラ法律事務所 中村多美子弁護士
○大正大学 人間学部 臨床心理学科 教授 青木聡氏
○引き離しを受けている当事者数名
(主催)Kネット 福岡
(問合せ先)
事務局担当:笹木伸一郎(ささき しんいちろう)
電話:070-5498-8365
E-MAIL: oyakonokizuna@hotmail.co.jp
以上
委員会提出議案第8号
父母の別居・離婚後の子との面会交流の環境整備を求める意見書
近年、国内では毎年25万組を超える夫婦が離婚し、そのうち14万組以上に未成
年の子どもがいます。
そして、我が国の民法は、協議上の離婚であれ、裁判上の離婚であれ、離婚後の親
権を父母の一方にのみ認める単独親権制を採っています。
このことから、離婚紛争時には、未成年の子どもをめぐり、奪い合いや連れ去り、
子どもと同居している一方の親(同居親)が他方の親(別居親)に対して子どもとの
面会や交流を拒絶し、あるいは妨害するといった事例もしばしばみられ、別居親が子
どもとの面会交流を求めて全国の家庭裁判所に審判や調停を申し立てる件数も、年々
増加しています。
本年6月には民法が一部改正され、協議上の離婚をするときには当該協議で「父又
は母と子との面会及びその他の交流」を定めることとされましたが、協議や調停によ
る合意にせよ、裁判上での審判や判決にせよ、離婚の成立後に相手方が子どもとの面
会はおろか交渉にも応じず、実効性が確保されていないのが現状であります。
一方、別居や離婚により虐待や遺棄などから子どもが解放されるケースもあり、子
どもの安全と安心を確保するための取組も重要であります。
以上のことから、国においては、子どもの人権を尊重し、その福祉や利益に最大の
配慮をしつつ、別居・離婚後の父母と子どもの面会交流を適切に進めるための実効性
のある法環境等の整備を進めることを求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成23年10月21日提出
さいたま市議会総合政策委員会
委員長 輿 水 恵 一
以前、神戸家裁伊丹支部で米国在住のニカラグア人男性と、子どもとの夏休み30日、毎週のウェブカメラ、メールによる交流を認める審判を日本裁判官ネットワークの浅見宣義判事が出したことが報じられましたが、この件の続報です。
元々、米国で単独親権を保持していたのは父親で、そうなった事情は米国での離婚訴訟中妻側は途中で弁護士を解任して請求を放棄。妻側も共同親権を主張しながら、その実、裏側で日本でこっそりと離婚訴訟を準備。これは日本の偏向した裁判事情(連れ去った者勝ちや、無原則な母性優先)を知っていて画策したと思われます。
「元夫に嘘がバレました」
href=”http://kyodosinken.com/2011/10/27/%E5%92%8C%E8%A7%A3%E3%81%A7%E6%AF%8E%E9%80%B1%E3%81%AE%E9%9D%A2%E4%BC%9A%E4%BA%A4%E6%B5%81%E3%82%92%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E4%BA%8B%E4%BE%8B%EF%BC%88%E5%B9%B4%EF%BC%93%E5%9B%9E%E3%81%AE%E5%AE%BF%E6%B3%8A/”>詳細はこちらから
判例情報についてはkネットまでお寄せ下さい
info@kyodosinken.com
事件の表示 平成22年(家ホ)第233号
期日 平成23年1月24日午前10時00分
場所 東京家庭裁判所立川支部家事部和解室
裁判官 原 道子
裁判所書記官 金子英司
出頭した当事者 原告 ×××
原告代理人 富永由紀子
被告 ○○○
被告代理人 木村真実
第3 和解条項
1 原告と被告は、本日、和解離婚する。
2 原告と被告との間の長女(×××生)及び次女(×××生)の各親権者を母である原告
と定め、同人において監護養育する。
3 被告は、原告に対し、長女及び二女の養育費として、平成23年2月1日から同
人らがそれぞれ満20歳に達する日の属する月まで、
一人当たり月額×万円を、
各月末日限り、長女××の郵便貯金口座に振り込む方法により支払う。
4 原告は、被告が、長女及び二女と下記のとおり面会交流することを認め、
その日時、場所、方法等は、その都度、子の福祉に配慮して、
原告と被告との間で事前に協議して定めることとする。
記
(1)宿泊を伴う面会交流 年3回。
ただし、うち1回は3泊以下、その余の2回は1泊。
(2)前項の宿泊を伴う面会交流を行う月は月2回とし、その余の月は月4回。
5 被告は、原告に対し、本件財産分与金として×××円の支払い義務があることを認め、
これを平成23年1月31日限り原告の指定する下記預金口座に振り込んで支払う。
略
6 原告と被告との間の別紙記載の情報にかかる年金分割についての請求すべき
按配割合を0.5と定める。
7 原告は、その余の請求を放棄する。
8 原告と被告は、以上をもって本件離婚に関する紛争がすべて解決したものとし、
この和解条項に定めるもののほか、財産分与、慰謝料等のいかんを問わず、
互いに財産上の請求をしない。
9 訴訟費用は、各自の負担とする。
<国際離婚>親権妨害容疑 米国で日本人女性逮捕
毎日新聞 10月27日(木)15時1分配信
米国に住むニカラグア国籍の元夫(39)との国際結婚で生まれた女児(9)を無断で米国から日本に連れ出したとして、日本人女性(43)が親権妨害容疑で米国ハワイ州保安局に逮捕されていたことが分かった。女性と元夫は親権を巡って日本で係争中で、外務省によると、国際結婚した日本人が親権の問題で係争中に海外で逮捕されるのは異例。専門家は、日本がハーグ条約に加盟すれば民事的な子供の返還手続きが優先されるため、逮捕まで発展する事案は少なくなるとみている。
法曹関係者と外務省によると、女性は02年2月に結婚して女児を出産。米国ウィスコンシン州で暮らしていたが、08年2月に子供を連れて日本に帰国した。09年6月に米国で離婚が成立し、元夫に親権が認められた。一方、関西に住んでいた女性は、親権の変更を求めて神戸家裁伊丹支部に家事審判を申し立てた。同支部は今年3月、女性の親権を認め、元夫と子供に米国で年間約30日間面会することを認める審判を下した。双方が即時抗告したため現在、大阪高裁で審理が続いている。
女性は今年4月7日(現地時間)、自分の永住権を更新しようと、米国ハワイ州ホノルル市に日本から空路で入国。しかし、父親に無断で子供を日本に連れ出し親権を妨害したとして、ウィスコンシン州から親権妨害容疑で逮捕状が出ており、ハワイ州保安局に逮捕された。
女性は現在も身柄を拘束されたままで、ウィスコンシン州で裁判が続いている。検察側は、執行猶予判決を条件に、日本で女性の両親と暮らす子供を米国に返すよう司法取引を提示したが、女性は拒絶。無罪を主張しているという。
子供は日本に住む母方の祖父母の下で暮らしており、両親ともに会えない日々が半年以上も続いている。
元夫は「子供を米国に返してくれれば、拘束は望まない。子供が両親と会える環境にしたい」と訴えているという。一方、女性の代理人弁護士は「(女性は)子供を一旦、米国に返せば帰ってこられないのではないかと心配している」と話している。
厚生労働省によると92年以降、国際結婚は06年の約4万4700件をピークに減少に転じ、10年は約3万200件。一方、国際離婚は増加傾向にあり、09年は最多の約1万9400件に上った。国際離婚には法律の違い、子供の国籍や親権、出国などで日本とは違った問題が伴う。
中央大法科大学院の棚瀬孝雄教授(法社会学)の話 ハーグ条約は、原則として子供をとりあえず元の国に返すことが第一目的で、民事的な返還手続きが優先される。子が返りさえすれば刑事訴追しないことが多い。加盟すれば、逮捕まで発展するような事案は少なくなると思う。【岡奈津希】
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111027/trl11102714300004-n1.htm 米国人と離婚訴訟中の日本人女性、「子供連れ去り」で逮捕 懲役20年の可能性も &…